2005年10月13日

産経新聞のレベルの低さにがく然・・・「愛」がないぞ,「愛」が!

 Macファンとしては新型iPodとか新型iMacG5についてコメントすべきなのかもしれませんが,どこもかしこもやっているので僕はパス。今日は産経新聞の社説を採り上げます。まずは最近の社説から。

(Oct/12/05 産経新聞社説より引用開始)
【パキスタン地震 より国益を意識し支援を】
 パキスタンを襲った地震は北部地域の情報が入るにつれ,甚大な被害が明らかになってきた。国連推定で二百五十万人が家を失い,死者は四万人に達する可能性もあるという。各国からは救助や医療のための緊急援助要員が続々,現地入りしている。
 日本政府は地震発生当日の八日,国際緊急援助隊の派遣を決定した。翌九日には四十九人からなる救助チームが出発し,十日には現地入りして救助活動を開始した。医師,看護師ら二十一人で編成する医療チームも十日に出発している。自衛隊からも国際緊急援助隊派遣法に基づき,輸送用ヘリコプター数機と二百人規模の隊員が派遣される予定だ。
 緊急援助隊は,重大な被害に直面する人たちを一刻も早く救うために活動する。人道目的と同時に国際社会で名誉ある地位を占めようとする日本の国益にとっても重要な意味を持っていることを忘れてはなるまい。
 パキスタンのムシャラフ政権は,アフガニスタンの旧タリバン政権と決別し,反テロで米国と協調している。
 ただし,国内の反米意識は依然,根強く,必ずしも政権基盤が安定しているとはいえない。地震をきっかけに政情が不安定化することは,テロとの戦いに共通の利益を見いだす日米欧にとっても避けるべきシナリオである。
 一方で,中国は戦火を交えたことのあるインドとの関係から,「敵の敵は味方」としてパキスタンと良好な関係を保ってきた。今回,中国は欧州連合(四百四十万ドル)を上回る六百二十万ドル(約七億円)の支援を表明するなど,素早く反応した。
 日本政府は十一日,二千万ドル(約二十二億円)の無償支援を決めたが,中国の後塵(こうじん)を拝した印象はぬぐえない。こうした外交戦略とともに反テロの立場からもムシャラフ政権への支援に力を入れることがさらに重要になる。
 今回の派遣は初動として決して遅くはなかった。この点は援助経験の蓄積が生かされたものとして評価することができる。
 だが,それでも英国などの救助チームより現地入りは一日遅れた。派遣人員の規模も小さかった。経験をさらに生かし,より高いレベルの行動を国の意思として目指してほしい。
(引用終了)

 産経らしい論調と言ってしまえばそれまでですが,どこにも「愛」が感じられませんね。人道支援という言葉がこれほどまでに空虚に響くなんて,保守の作法を間違ったマスコミってのはこの程度の社説しか書けないものなのでしょうか。
 自然災害をなぜテロと結びつけて,ムシャラフが親アメリカだから助けろだの,イギリスより支援が遅れただの言って,地震の被害者のことを本気で心配しているのか?こんなときにアメリカに尻尾を振る回数を競ってどうすんだよ。未曾有の大惨事を日本の国益のために利用しろだって。そういう「愛」のないエセ「愛国心」を語る奴らに「保守」を語って欲しくない。国益とエゴをごっちゃにするんじゃない!極めて不愉快です。

(Oct/08/05 産経新聞社説より引用開始)
【中国外貨準備高 元の再切り上げしかない】
 中国の六月末の外貨準備高が香港を含めて八千三百七十九億ドルと,日本を抜き初めて世界一になった。香港を除いてもトップになるのは時間の問題である。これは矛盾に満ちた通貨制度の裏返しでもあり,小手先ではない人民元再切り上げが求められる。
 中国が首位の座についたのは,日本の財務省発表の主要国外貨準備高で明らかになった。ただ,香港を除くと七千百五十九億ドルで,まだ日本とは一千億ドル以上の差がある。
 しかし,中国の外貨準備は昨年一年間で二千億ドルも急増している。今年も毎月二百億ドル前後も増えており,中国発表の八月末の準備高は七千五百億ドルに達している。このままだと,来年早々にも日本を上回る見通しだ。
 多額な日本の外貨準備は貿易黒字もさることながら,デフレ対応で大規模な円売りドル買いの市場介入を実施したからだが,それも昨年春までだ。中国の場合は安い人民元を背景にした輸出と硬直的通貨制度に起因する。
 当局が外貨を一元管理する制度をとっているため,貿易黒字が外貨準備としてそのまま積み上がる仕組みなのだ。その貿易黒字は一−八月で六百億ドルに達し,過去最高水準だった昨年の二倍のペースで増えている。
 先進七カ国が人民元改革を求めてきたのはこのためだが,七月の改革はこうした構造の是正に程遠かった。切り上げ幅が2%程度と極めて小幅な上,導入した「通貨バスケット制」の運営に改革姿勢がみえないからだ。
 この制度は複数通貨を加重平均してレートを決める方式で,対米ドル相場を一日上下0・3%の範囲内で変動させるとした。しかし,その後の人民元相場は,以前の実質的ドル固定制時代とほとんど変わっていない。
 ドルの比重がどの程度か分からないが,この制度が機能しないよう当局がドルを買い支えているのは間違いない。改革後の貿易黒字が高水準なのも,外貨準備が積み上がっているのも,この結果だろう。
 中国の輸出競争力からみて,せめて一割の再切り上げとバスケット制を機能させることは国際的責務である。それをしない限り,市場経済化に不可欠な資本取引解禁など中国自身の課題も解決はできない。
(引用終了)

 どのように好意的に読んだとしても,日本の外貨準備高が中国に抜かれた,悔しい!としか伝わってきません。香港を除けばまだ日本は一位だ・・・なんて本当に空虚な主張しかできないんですね,この新聞は。後半部分に書いてある内容をそっくりそのまま,十数年前にアメリカから言われた国は大きなバブルを発生させて,華々しくはじけて,未だに超デフレから抜け出していないという事実を産経新聞の社説記者は忘れているようです。この国はあんまり派手にドル買い介入をし続けたものだからアメリカに叱られて外貨準備高が伸びていないだけ。こんな国のようにアメリカの恫喝に負けて手のひらで躍らされたくないから,中国は必死の抵抗をしているんでしょう。もちろんフェアなやり方ではないけど,通貨戦争なんだから,ほいほいっと簡単に相手の策にはまる必要はありません。きつねとたぬきの化かしあい。日本はいいんだよ。この位置で。アメリカ経済が破裂したときに日本が悪いと言われないようにしておけばいいんだから。

 産経も本当にレベルが落ちたなあ。石原慎太郎は息子を二人も自民党に人質にとられて舌鋒が明らかに鈍っているし,クライン孝子は馬鹿丸出し。その他の論者もなんだかポチ保守ばっかり。TBSもダメになったし,もう大手メディアは本当におしまいですね。

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この記事へのコメント
産経は記事の選び方からして日本万歳、中国逝ってよし!(古い)という大人の国にふさわしいスタンスですからねえ。まあ読み物としては一番面白い新聞なのかもしれません。
ろくでもないメディアしか知らないで思考形成する人が増えるのが危惧されます。ってこの図式は昔からずっと変わらないのかな。
Posted by HM at 2005年10月15日 00:19