2005年10月07日

DocomoがiTunes再生携帯を開発するらしい。音質の悪い着うたフルには十分勝算はあるのでしょうが・・・

 いろいろ紹介したい記事がたまってきましたが,どれもこれも単発であまり広がりがなさそうなのでエントリ編集に苦労しています。今日は久しぶりにIT関連のニューズを。ちょっと長いですけど興味深い記事です。

(Oct/07/05 CNET Japan(元記事:Fuji Sankei Business i)より引用開始)
【NTTドコモ、音楽分野で巻き返し  「iPod携帯」開発へ】
 NTTドコモ(東京都千代田区)は、世界を席巻している携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」の機能を備えた新しい携帯電話の開発に向けて検討を始めた。
 iPodの大ヒットにつながった音楽配信サービス「アイチューンズ・ミュージックストア(iTMS)」に対応する携帯端末の製品化で、米アップルコンピュータとすでに協議を始めたとの観測もある。
 日本では、KDDI(東京都千代田区)のau携帯電話に直接楽曲を配信できる「着うたフル」サービスが人気で、携帯電話の音楽分野では、ドコモは後れをとっている。
 「iPod携帯」の投入が実現すれば、これを一気に巻き返す可能性もあり、携帯電話市場に、新たな波が起きそうだ。
 iPod携帯の端末の具体的な仕様は未定だが、パソコンに取り込んだ楽曲データを簡単に携帯端末に転送して聴くことができるようにし、デザインや操作性を工夫する見通し。
 アップルブランドでなく、ドコモのブランドでの販売になりそうだという。
 アップルは、アイチューンズの音楽管理ソフトを組み込んだ携帯電話「ROKR(ロッカー)」をモトローラと共同開発。米国の携帯事業者シンギュラーを通じて今年九月から販売している。八月には日本でもアイチューンズのサービスを開始しており、日本の携帯電話への展開に注目が集まっていた。
 ドコモは、これまでに音楽分野に参入してはいた。昨年十二月に販売開始した、ソニーの音楽配信サービス「モーラ」に対応する音楽再生機能付きの携帯電話「ミュージックポーター」がそれだ。パソコンから簡単に楽曲を取り込んで楽しめる、初めての携帯電話端末だった。
 しかし、時期を同じくしてauが「着うたフル」を開始。ダウンロード数は九月末で二千万を超え、「音楽といえばau」のイメージが定着し、ドコモの存在感は薄れていた。それだけに、iPod携帯に寄せるドコモの期待は大きいとみられる。
 さらに、ドコモは年内にもテレビ電話もできる第三世代携帯電話(3G)「FOMA(フォーマ)」で、ミュージックポーターの新機種二種類を発売する予定。国内で最も容量の大きい、一ギガ(一ギガは十億)バイトのメモリーで約七百曲を記録できるタイプも投入し、音楽再生機能を強化するという。
 また、来年夏に都市部で開始する最大毎秒約一四メガ(一メガは百万)ビットの3G高速データ通信サービスでは、大容量の楽曲データを直接、携帯端末へ配信するサービスも考えている。
 これに、iPod携帯の市場投入が実現すれば、「鬼に金棒」というわけだ。

 ■アップル、日本の顧客囲い込みへ
 iPodと携帯電話の機能をあわせ持つROKRを九月に発表したアップルのスティーブ・ジョブズCEO(最高経営責任者)は、「これは携帯電話における『iPod』だ」と強調。全世界で二千百万台以上を売ったiPodの実績をもとにヒット商品への自信を示した。
 アップルが携帯電話市場に参入するのは、音楽配信サービス分野でソニーをはじめとする競合他社を引き離す狙いがある。
 音楽ファンに支持されて販売を伸ばしてきたiPodだが、いつまでも売り上げが伸び続けるとはかぎらない。そこそこ音楽を楽しみたいとする膨大な数の携帯電話ユーザーは大きな魅力。とくに、「着うたフル」に代表される“音楽ケータイ”が、世界に先行して普及しつつある日本市場での顧客の囲い込みを急ぐ必要がある。
 同時に、携帯音楽プレーヤーとしてのiPodは、ビデオなどの動画が見られるようにするなど、高機能化を図る戦略だ。
 しかし、ドコモにとっては、iPodの強さゆえに端末開発や今後の音楽配信のあり方にまで大きな影響力を及ぼす懸念もある。実現までには、まだ曲折がありそうだ。
(引用終了)

 最後の2行が現実なのでしょうが,とりあえずはDoCoMoがAppleを好意的に見てくれているということはわかりました。Appleは来年のIntelCPUへの移行を前にしてパソコンの売上げが望みにくい状況にありますから,順風吹き荒れるiPod関連でしこたま儲けておきたい。日本でのAppleブランドシェア拡大を考えるならば,落ちてきているとはいえDoCoMoの携帯業界シェアは魅力的に写ったはずです。
 一方でDoCoMoはこれ以上auに大きな顔をさせたくない。ただし自社ブランド「ミュージックポーター」は鳴かず飛ばずで,方針を大きく変えないとauの着うたフルとの差は広がる一方。そうなれば巻き返しを図るとっておきの手としてAppleのiTunseに白羽の矢を当てたのも納得がいきます。

 そうそう,自社形式にこだわりすぎて没落期に入った有名企業がありますね。Sonyですよ。最近になってようやく携帯音楽プレイヤーでmp3形式が再生可能になるなんていう怠けたことをやって,まんまとAppleのiPodに席捲されたウォークマン。iPodのTVCFをご覧になった方はお気付きのことと思いますが,Appleは「GoodBye MD」と挑発していました。一方のSonyは高みの見物を決め込んだのと,ATRAC3(MDの音楽規格)にこだわりすぎて守りに入ってしまったので破れました。盛田さんご存命のころであれば結果はどうなっていたでしょうか。

 DoCoMoはSonyの失敗からしっかり学んでください。iTunesDocomo端末に期待しています!(ちなみに僕は買う予定はありませんが ^^;;)

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