2005年08月16日

FT紙の記事に対するあちこちの反応 僕も再度論点を整理しておこう

 お盆モード,本業のボウズでてんてこ舞いでした。更新途切れまして申し訳ない。今日から再開しますが,お休みしている間に先日のFT紙の記事の件(グローバルマネーが日本の郵貯を手に入れる時期が伸びちゃったよという話ね)についてたくさんコメントやトラックバックをいただいたので,再度僕の意見を整理しておこうと思います。実はこのFT紙の記事についてはネット上のあちこちで採り上げられていて,いろんな意見に出くわすこともできたので実に良い勉強になりました。年次改革要望書はアメリカ大使館のHPに公開されていて日本語訳までされている公文書ですから,FTなどの経済紙が,アメリカの要望通り民営化されそうだったのに・・・チェッっていう反応を示しても全く不自然ではないんですよね。それなのに日本で大騒ぎになるのは,やっぱり年次改革要望書の存在が知られなさすぎているということが原因なんだと思います。

 そこでまず,以下に雑談日記さんからいただいたトラックバックに対する僕のコメントを紹介します。
TBありがとうございます。
この件についてはいろんなところで議論されているので勉強になりますね。
僕が重要視しているのは,資本主義だ外資だ云々ではなくて,『年次改革要望書』っていう内政干渉を国民にろくすっぽ説明もせずにコソコソと受け入れている情けない日本の状態を放置していいのか?ということです。
石原慎太郎都知事が先日行った会見でもはっきりと『年次改革要望書』という言葉が使われたのにテレビではカットされたり,国会質問で民主党の質問で使われたときも翌日の新聞には出ていなかったり・・・とにかくマスコミが要望書の存在を隠し続けている,そんな大政翼賛的なマスコミ規制の下で外資と経済戦争したって日本のヒヨコ達が勝てるわけないでしょう。大事な情報を知らされずに政府の音頭に躍らされて民営化マンセーで突撃・・・昔の日本に似ていませんか?
竹中大臣が委員会や国会で認めているように,18回にもわたってアメリカの担当者と民営化の打ち合わせをしてきたのに(→参考など)そんなこと野党が突っ込まなければ知られることがなかったという状態の,しかもその事実を新聞などの大手マスコミが全く伝えないという状態のどこがフェアでフリーでグローバルな自由競争なんですか?

 はじめに断っておきますが,僕自身は郵政の民営化そのものに反対しているわけではありません。反対派の荒井広幸氏の著書を読みましたが共感できる部分は少なかったし,首相が指摘するまでもなく郵貯や簡保の異常な使われ方を正す必要性はわかりますし,選挙での組織だった票集めも度を越していますし。今回の選挙でも亀井氏や綿貫氏を応援する気はありません。ま,彼らがテレビで『年次改革要望書』の存在とか,政府による株式の買戻し権付与だとか,郵貯資金でのアメリカ国債の買入れ額を制限させるとか主張するのであれば応援しますけど。でも彼らにそんな勇気はないでしょう。

 では僕が今回なぜ法案に反対しこれからも反対するかというと,一言で言えば政府が「不透明なことが多すぎて説明を求められているのに強引に法案を通そうとしている」からです。なぜ公社のままじゃいけないのか。なぜどの国もしていない株式完全売却方式なのか。なぜ巨大銀行を国有化して郵貯を民営化するのか(郵貯を冷静に資産査定すれば不良債権だらけでしょう?)。財政投融資が悪いと言うがそれをさせてきた旧大蔵省の処分がなぜないのか。などなど。

 その不透明なことの中でも最も許せないのが上で指摘したように『年次改革要望書』についてです。要望書と法案を見比べれば一目瞭然。だからこそ国民の反応を恐れて政府はマスコミに圧力をかけて露出させないようにしているんでしょう。せっかくNHKの国会生中継で民主党とか共産党の質問でようやく放送されたというのに,面白いように日本の新聞には出てこない。出ても週刊誌レベルの媒体。ベンジャミン・フルフォード氏は週刊誌にこそ本当の情報があるってことを著書で語っておられましたが,日本を動かすエリート達は女性のグラビアがついた雑誌なんか読まないから,やっぱり情報として届かない。そういう意味で関岡英之氏の『拒否できない日本』文春新書はもっともっと日本のエリート達に読まれないといけないんですけどね。目の前の事実を認めようとしないから,西洋の上っ面だけを見様見まねで猿まねしたっていつもいつも良いようにやられるってことに気付かないといけない。

 ポチ保守の人たちはアメリカ様の要望だからってことでそこで思考が停止する。アメリカの国益のために日本の国益を指し出す。それが”保守”だと思っている。アメリカから言われたからやるっていうのも力関係を考えれば仕方がないことではありますが,ではなぜそれを隠す必要があるのか?ハマコーみたいに堂々と「日本はアメリカの最後の州だ」って言えばすっきりするだろうに。腹黒すぎるよ。そのくせ弱い国民に向かっては民族の誇りをもてとか自虐史観を正せとか言う。そんなスネオ的なやり方に僕は魅力を感じません。

 真の愛国者は,アメリカの意図を読んで法案を骨抜きにしたり,法案作成の際にポイズンピルを仕掛けたりして日本の国益を第一に考えるものです。でもそういう人たちはアメリカとかジャパンハンドラーズたちからマークされて要職を外されているケースがほとんどですから,やっぱりアメリカの要望通りの法案しか出てこないようになっています。情けない。それでもそういう法案に賛成したい人はしたらいいですけどね。知らぬが仏という言葉もあるし,詮索好きは身を滅ぼすっていう言葉もありますから。

 でもまあ,ことここに至っても日本の新聞は小泉ヨイショに余念が無い。嬉々として,ワシントンポストの社説で小泉支持と書かれたという報道を各社一斉に流しています(→参考)。FT紙の記事は紹介しないくせにね。どっちの方が面白い記事かっていう商業的な判断もつかないようで。ま,当方にしてみれば「勝手にやってろ」ですむわけですが,情報を知らされていない人間がこういう記事を見たら「やっぱり小泉改革は海外で評価されているんだ。いままでこんな首相はいなかった。すごい人だ」という判断になるんでしょうね。はいはい。よかったね。

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郵政民営化は正しくありません。
要旨 【郵政民営化】【前田慶次郎店長のブログ】at 2005年08月18日 19:07
「今度の総選挙の国民的争点は、郵便貯金のハゲタカ外資による乗っ取り防止と、サラリーマン大増税を認めざるを得ないかどうかの二つである」 いま最も読まねばならない一冊です。
重税国家 日本の奈落 (副島隆彦著)【前田慶次郎店長のブログ】at 2005年09月03日 20:01
この記事へのコメント
ストレスで脳細胞が死滅しますね

小泉純]困陵直期の頃の写真見るとぶっとばしたい。
Posted by よっしー at 2005年08月17日 10:20