2005年04月29日

OSX10.4 Tiger発売! でも手元にはなし!

 今日はMacOSX 10.4 "Tiger"の発売日でした。とはいっても当日買いに行ける時間もなく,アカデミーパック購入予定なので予約しているわけでもないので僕の手元にはありません。連休が終わったら時間ができるので買いに行きたいなあと思うのですが,その頃になったら主要ソフトの対応状況などがあちこちで報告されるのでしょうから,石橋叩き派の僕としてはちょうど良かったのかもと思ったりもします。

 実際僕は今のバージョン10.3 "Panther"で全く困っていることはないのですが,新機能のプレビューとかを見せられると新しいもの好きの心がくすぐられて落ち着いていられなくなっています。Appleという会社はユーザーの心をうまくコントロールしているなあと感心しますね。だからこそAppleの情報統制は異常なまでに厳しいという事実も納得できます。新OSの発売日については経営陣と一部の従業員にしか知らされなかったようですし,新製品が出るときはいつも突然のサプライズがあって,新鮮な反面,わずか1日で新製品が旧製品に激変するなんていう悲しい事態が起こることだってあるわけです。発売前に情報を漏えいしたプログラマーを提訴までして,さらに裁判所もApple支持に回るなどの事件もありました。ここまでものすごい情報統制だと,余計にAppleの知名度と新OSに対する好奇心を発掘できるという意味でマーケッティング的な出来レースじゃないのかという印象までもってしまいます(全くの憶測ですし悪意はありません)。

 いずれにせよ,消費者心理を読み切ったら売れるかどうかはあとは宣伝効果がモノをいいます。以下の記事を見る限りはまずまずの反応だったのでしょう。Macマニアだけが群を成したという印象もあるのですが,直営店の状況としては仕方ないでしょう。

(Apr/29/05 NIKKEI NETより引用開始)
【アップル、新OS「タイガー」発売・直営店に1000人の列】
 米アップルコンピュータの最新版基本ソフト(OS)「マックOSX(テン)“タイガー”」が29日、海外に先駆けて発売された。東京・銀座の直営店には約1000人が午後6時の開店までに列をなした。検索機能など200以上の新機能を備えたOSをテコに、パソコン事業を携帯音楽プレーヤー「iPod」に並ぶ柱に育てる考えだ。
 タイガーは画像ファイル、メール、文書ファイルなどあらゆるパソコン内部のデータを瞬時に検索する機能などを持つ。同社製パソコンに搭載して利用する。今月中、購入者にはアップル社員と1対1の「タイガー」講習を受け付ける。
 当初500人程度だった直営店前の行列は、通行人も加わり開店時には1000人に膨れ上がった。「在庫は十分にあり、『iPod mini』発売時のような品切れは起こらない」という。
(引用終了)

 記事中気になる部分はあります。「パソコン事業をiPodに並ぶ柱に育てる考え」って・・・。ああそうだよ。Appleの利益は目覚ましい伸びを記録したけど,実際はiPod以外は伸びてないよ。でも,Appleにとってパソコン事業はずっと「柱」だったよ・・・。

 これからはWindowsがどれだけこのTigerの機能を真似してくるかに関心が移ります。後発OSなんだからしっかり研究してくれよ。ま,僕は寺の事務で仕方なく使っているWindows機のOSは未だにWindows2000ですし,Longhornなんて使う予定ないですけどね。ウィルスバスターなんて入れていないから,先日の事件の被害なんてないし。そういえば,日ごろ巡回しているサイトの管理者の多くが被害に遭っていたなあ。まめにバックアップとっている人は助かっていますが,そうでない人もかなりいるようで,ウィルス対策ソフトを入れていたがために被害に遭うってのはWindowsっぽくていいね。なんちゃって。不謹慎でした。すまん。  

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2005年04月28日

『日本語力崩壊』

30c4e9c7.jpg樋口裕一『日本語力崩壊』中公新書ラクレ お勧め度★★★★
(内容紹介はじめ)
 予備校生達の国語力の乏しさを痛感せざるをえない。間違ったゆとり教育がもたらした影響であろうか,自分の思いも伝えられず模範解答しか求めない没個性的人間が非情に多い。なぜだろう。そもそも入試の国語の問題がよくないからではないか。入試問題は出題者よりも読解力が豊かな優秀な受験生にとっては不利ですらある。そこで小論文を中心にした入試制度を提唱する。個性の発見に繋がる小論文をもっと活用させるべきである。
(内容紹介おわり)

 著者は「受験小論文の神様」の樋口裕一氏ですが,僕は小論文で受験したことがないので初めて目にする名前でした。学生時代から国語が苦手で理系に進んだ僕としては,本書に出会わなければ小論文なんてものに興味を抱くことはなかったかもしれません。それでも受験生へのアドバイスということで1ヶ月ほど前のエントリで書きましたが,僕自身が経験していないのでどうも説得力が乏しかったなあと反省しています。そういうわけで,サブタイトル「でもこうすればくい止められる」という文言にも魅かれて読んでみました。

 実を言うと上記のような理由は後付けでして,本書も題名のインパクトの大きさでつい手に取ってレジまで持っていってしまったというのが実状ですが,結果的には著者の主張には大いに共感できる部分がありました。

 まず本書の大きなテーマの一つは「ゆとり教育」にあります。著者の考えは,詰め込み教育から脱却して個性を重視するために導入された「ゆとり教育」の精神を曲解して負の部分だけを広めてしまったのが昨今の「ゆとり教育」失敗論だとするものです。「ゆとり教育」そのものは間違っておらず運用がまずかったというのです。間違った「ゆとり教育」は適度な競争すらなくし,その結果序列をなくし,その結果学習意欲をなくし,また倫理観すらなくしてしまった。ではどうすればよかったか。要するに生徒に考えさせて表現させるというプロセスが足りなかったのであり,今後それを十分な能力として修めさせるために「小論文」教育を重視しようという画期的な主張です。

 「ゆとり教育」の問題提起を終えて「小論文」賛美がしばらく本書で展開されます。著者は国語の問題に客観的解答なんてありえないと喝破し,センター試験の正解のいい加減さについても言及されています。ふさわしくない選択肢を選ぶべき問題を勘違いしてふさわしい選択肢を選んでしまった同僚の予備校講師が,勘違いしているのにもかかわらず無理やり理屈をつけて正解を導き出すことすらあるという笑えない冗談も紹介されており,結局は文章は受取る(読む)だけでは国語能力の発達には不十分であり,発信(書く)行為がなされないといけないのだという論理展開になっています。ここは僕自身も経験したことなので大いに共感できました。僕も発信の大切さに気付いてブログを書き続けているわけであり,できれば多くの人に実践してもらいたいことだとも思っています。

 著者は入試の国語は「小論文」を中心にすべきだと説きますが,すぐにそうすべきだとは説いていないところにも注目しましょう。すなわち,これまでの出題でまともな設題ばかりとは限らないという入試を課する側の問題と,採点基準があいまいだという決定的な問題を提起しています。これらの問題が解決されれば,すぐにでも「小論文」中心の国語試験に変えるべしということなのですが,2つめの採点基準を定めるというのは現実的には非常に難しいのです。公平さを期するあまり結果的にソツの無い意見ばかりが高得点になったり,採点する側と主張が違うときに恣意的に評価を下されるリスクがあったりするからです。しかし,この点については著者は割り切っています。主観的な評価は仕方がないと。僕も全くそのとおりだと思います。早稲田なら早稲田,慶応なら慶応の入学を許可するべき基準というのがあってしかるべきだと思いますから。極論すれば思想が遇わなければ不合格だっていいわけです。私立ですから。これが国公立になると賛否両論あるでしょうけど。

 本書は最後に「本を好きにさせる十か条」「新聞を楽しむための五か条」を提示しています。一つ一つはあげれませんが,無理して子供に本を与えるなとか,親が読む姿勢を見せないくせに子供に強制するなとか,本を与えるだけではいけないとか,子供の教育にとっていかに読書を効果的なものにしていくかという観点で経験論を述べたものになっていて,なかなか一読に値します。

 さすがに小論文の先生という感じの理路整然とした読みやすい本でした。教育問題に並々ならぬ興味がある僕としては,非常に参考になる本でした。ただ,著者が決めたのかどうかわかりませんが,題名を見ると悲観的すぎるイメージが出てふさわしくないなあというのと,理科系の人達へのアドバイスがあればよかったなあという物足りなさもありましたので,★4つとしておきます。でもあらためて国語力は発信することなしには向上しないのだなあと認識しました。  
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2005年04月27日

茶番の郵政民営化なんてつまらん。日テレの外資規制の方が興味深い。

 昨日は我が寺の改装の件で両親と遅くまで話しあっていました。レイアウトとか考えると大掛かりな工事になりそうなので,けっこう詰めまでは時間がかかります。まだ話は始まったばかりなので,これからもちょくちょく話をしないといけないことになります。ま,新しく大きな物を造るというのは僕自身も初めての体験なので,いろいろ経験させてもらいたいと思っています。

 今日は,いろんなニューズについてコメントしていきます。

(Apr/26/05 Sankei Webより引用開始)
【日テレの外資比率19・99%】
 日本テレビ放送網は26日、総議決権に占める外資比率が3月31日時点で19.99%だったと発表した。
 放送会社は、電波法によって外資の議決権比率が20%未満に制限されているため、日本テレビは放送法に基づき、一部の外資については株主名簿への記載を拒否し制限内に抑えているという。
(引用終了)

 フジテレビとライブドアのよくわからない決着からしばらく経ちましたが,この記事を見る限りでは日テレの方が外資の影響力やばくない?詳しい内容はわからないけど,そもそも意図的に19.99に寸止めできるものなの?上場していて別の外資が買って20%超えてしまった時は株主名簿に記載しなければ大丈夫ってことなの?そんないい加減なものなの?いやあ,よくわかりませんねえ。ちょっといろいろ調べてみようと思います。Googleニュースで見る限り,産経新聞しかこのニューズをとりあげていないという点もちょっとひっかかります。もともとは僕も「阿修羅」掲示板で知ってリンクをたどっただけなのですが・・・。

 他にも放送業界で株の持ち合いをして敵対的買収に備えましょうなんていう記事も出ていましたが,僕は買収が怖いんだったら上場やめればいいだけのことだと思います。持ち合いを再開しますみたいなプレス発表した時点で全社の株価が下がっていくわけですから,この経営者達って本当に場の空気が読めないというか,とことん資本主義に対する理解がないなあと思わざるをえません。メディア業界は自分たちで情報統制を自主規制しているくせに(ベンジャミン・フルフォード氏の著作を読むといろんなタブーがわかります)肝心なことを書かずにこうやって小手先だけで逃げようとします。良識ある人間なら竹中氏を大臣にして宮内氏を規制緩和推進会議議長にしてアメリカ的な資本主義を導入してしまっている以上は日本のローカルルールで闘える余地があるとは考えないはずですが。もちろんそういう内実をしっかり暴露してしまって国民を奮い立たせるという方法はありますが,メディアはもちろんどの政治家もそんなことはアメリカの報復が怖くてできないでしょう。本来ははそれをやってこそのメディアだし,保守なんですけどね。みんなスキャンダルの暴露が怖くてアメリカの保守しかやっていない,そんな印象しか受けませんね。

 話がそれました。要するに最初から反対してがんばっておりゃあいいものを怖くて従ってしまったんだから,今更よいこちゃんぶってもハイエナには通じないよという話です。ま,僕は木魚叩きながら静観させていただきますがね。

 今日ついに郵政民営化法案が閣議決定されました。相変わらず年次改革要望書について国民が知らされないまま進められています。双子の赤字だろうが日本の財政難だろうがそうやってドルを支えるのが日本しかいない状況なのは僕も理解していますが,騙されたまま国民の資産を差し出すってのが本当に政治家のすることなのかね?だらしのないマスコミは未だに小泉首相の提灯モチで抵抗勢力イコール悪者という図式しか見せないのですが,そろそろ本当のことを書いたらどうなんだろう?

 官の無駄をなくすことが目的なんて言っていますが,小泉首相の改革なんて口だけで,看板が変わっただけで実態は何一つ変わっていない,つまり官は全く懲りていないわけです。こんなことはちょっと本を読めばどこにでも書いてあります(江田憲司氏の本はわかりやすかったです)。郵政民営化もどうせそうなります。それでも小泉首相は成功だとのたまうでしょう。なぜか。本当の目的はそこにはないというのと,パフォーマンスさえ良ければ名前が残るからでしょう。

 端的にそれを示す事例があります。

(Apr/27/05 ロイターより引用開始)
【民営化後もかなりの部分、国債を引き受けてもらうと思う=財務相】
 谷垣財務相は、郵政民営化法案を決定した臨時閣議後の記者会見で、民営化後も、安定した資産運用などを考えると、かなりの部分、国債を引き受けてもらうことになると思う、と述べた。
 同相は、2001年度の財投改革によって、郵貯・簡保と財投との関係が切れ、資金の流れは変化していかざるを得ないと指摘。ただ、一方では、「現在は、国債を大量に引き受けてもらっている現実がある。民営化しても、しばらくは、安定した資産の運用等を考えると、かなりの部分国債も引き受けていただけることになると思う」とした。(後略)
(引用終了)

 全然,民に任せる気ないじゃん。郵政公社のままでいいじゃんという疑問に全く答えられないわけですよ。なぜそんなに民営化を急ぐのか,ウラがないわけがない。国民が民営化に反対すれば(貯金が流出すれば)郵貯は国債を売ってでも現金を用意しないとイケナイわけです。国家の元本保証がない貯金なんてすぐ流出しますよ(元本保証をつけるんだったら民営化とは言わない。ただの民業圧迫)。ま,とはいえ民営化の本当の目的は簡保ですけどね。

 明日は午後から久しぶりの休暇です。ゆっくり本を読んで過ごします。  
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2005年04月25日

補欠選挙の結果をめぐる各社の社説を読み比べてみよう

 今日は昨日の補欠選挙結果を受けた大手新聞社の社説を読んだ感想を書きます。尼崎の事故の話はまだ原因がはっきりわからないので今日はパス。

 まずは東京新聞(中日新聞)のスタンス。都会紙だからか,民主党よりの分析が目立ちます。

(東京新聞社説の要旨貼り付け開始)
・民主党は痛い星を落とした。
・ともに不祥事が原因となった補選だから、民主党の側が大きなハンディを強いられた。
・五年前に衆参の統一補選が導入されて以降の戦績は、これで自民の十八勝、民主はいまだ三勝しかしていないことになるという。高い投票率を望みにくい補選とはいっても、こんなていたらくでは政権は遠い。有権者を引きつけられないのはなぜか、何が不足しているのかを、急ぎ総括することである。
・自民には、願ってもない結果であったろう。が、間違ってはいけない。敵失がなければこの勝敗は、逆になっていたかもしれないのだから。
(貼り付け終了)

 これから紹介する各社の社説と比べると,自民党の勝利が与える影響についてはあまり関心を払っていません。自民党がなぜ勝てたか(特に福岡で)についても触れていません。言い換えれば,今後ますます自民党は公明党(創価学会)に対して頭が上がらなくなりますという分析が書けていない。いや,書けないのかな。やっぱり本音では民主党に勝って欲しかったのでしょうね。次はまずまずバランス良く書けていた毎日新聞。

(毎日新聞社説の要旨貼り付け開始)
・民営化反対議員の対応が注目される。
・「山崎氏落選」となれば、単なる1敗で片付けられない重大なダメージを小泉首相は受けたはずだった。
・今回の2勝利で小泉政権は一息ついた形だ。郵政民営化法案の成立を契機に退陣を求める「郵政花道論」も当面は影を潜めよう。小泉政権の最大の浮揚力は世論からの支持であることが改めて裏付けられた。
・だからといって自民党も勝利に奢(おご)る暇はない。すでに大都市部では無党派層が勝敗のカギを握っている。
・福岡2区の勝因も公明党の支援と低投票率、それに余震が続く福岡沖玄界地震の復興に向けての政治力への期待と分析できる。
・両選挙区とも本来は民主党の議席だったが、いずれも不祥事で議員辞職したため補選となった。2敗は痛すぎる。小沢一郎副代表は選挙前から、2敗すれば岡田代表の責任が「問題になる」と広言している。
・今回の結果を受け「政権準備政党」よりも、自民党との対立点が明確な「政権監視政党」に重点を移すべきだとの主張が強まることが予想される。
(貼り付け終了)

 そつなく書けている感のある毎日新聞ですが,それでもじっくり考えると「どうかな?」という部分はあります。小泉政権は世論支持で持っているという分析は一つの誘導としては正しいのですが,「こんな低い投票率では世論支持とは言えない」という事実をぼやかしているわけで,論者の意図が図りかねます。公明党の支援云々は次の日経新聞みたいにはっきりと「創価学会」云々と書いた方が読者はさらに頭を使っていろいろ考えるようになりますから,僕が論説を書くなら必ず創価学会の組織票については書きますね。ま,聖教新聞を子会社に印刷させている毎日新聞はそんな事書けませんけどね。

(日経新聞社説の要旨貼り付け開始)
・自民党の勝利は内政・外交とも胸突き八丁にある小泉純一郎首相の政権運営に追い風になるとみられる。
・首相は選挙中、郵政民営化の実行を有権者に強く訴えてきた。選挙結果が自民党内の郵政民営化攻防の帰趨を左右するのは間違いない。
・山崎氏は首相の盟友であり、山崎派を率いて小泉政権を支える実力者である。山崎氏の復活当選は小泉首相にとっては朗報であり、郵政民営化をめぐる自民党との調整にも弾みとなろう。
・連立与党の公明党も危機感を抱き、支持組織の創価学会に影響力を持つ浜四津敏子代表代行を福岡2区に送り込み、山崎氏のてこ入れを図った。これも山崎氏当選の大きな要因である。
・今回の補選は民主党にとっては汚名返上を図り、小泉政権を追い詰めるための選挙だった。党内から岡田代表の指導力や党運営に不満が出る懸念がある。
(貼り付け終了)

 日経は最近は自粛してきたとはいえ肝心の経済について中国投資を煽りまくった無責任記事ばかりが目立ちますが,さすがに政治記事は強い。少ない字数制限の中で書くべきことを書いたので良しとしましょう。ただし民主党の敗因についてはあまり興味がないようで,首相はこの選挙結果を利用して郵政民営化を強引に進めるんだろうなあという分析で終わっているのは・・・ま,仕方ないか。次は自民党万歳の保守論陣から。

(産経新聞社説の要旨貼り付け開始)
・首相補佐官の山崎氏の当選は、小泉政権の運営が一応信任されたといえる。
・よりよき民営化のために政府・与党はさらに努力を続けるべきだ。中国、韓国などの「反日」の動きが続く中、内輪もめは相手からつけ込まれかねない。
・安倍晋三幹事長代理が党改革の切り札として導入した公募制で出馬した秋葉氏が当選した。次の総選挙でも公募方式の適用は広がる。新しい自民党の姿をいかに示すか、である。
・民主党の岡田克也代表にとっては、これまで強いとされていた都市部での敗北でもあり、打撃となった。責任問題を含め、党運営が厳しさを増すことは避けられない。岡田氏が力説する政権準備党の姿が見えないことも原因ではないか。
(貼り付け終了)

 産経の正論路線としては王道的な論説です。それほど保守ぶりぶりでもないので今回は違和感なく読めました。公明党や創価学会の組織票云々については触れていませんが,特に選挙の勝因分析は社説では展開していないので意図的に外したのかもしれません。いずれにせよライブドア事件のときの社説とはエラい違いですね。やっぱり当事者になると正論が歪むんだろうか。続いて読売。

(読売新聞社説の要旨貼り付け開始)
・前回衆院選で女性問題などによるイメージダウンが響いて議席を失った山崎拓・前副総裁が復帰した。今回の統一補選は、山崎氏の当落の行方が焦点だった。
・選挙戦で、山崎氏は、郵政民営化の推進を訴えた。自民党の武部幹事長は「郵政民営化を国民が支持しているかどうかの一つの目安だ」と力説していた。
・首相や自民党内の郵政民営化支持勢力にすれば、山崎氏の当選は、郵政民営化が支持されたからだ、と言いたいところかも知れない。
・山崎氏は、公明党だけでなく、同じ地元有力者ながら、疎遠だった麻生総務相や古賀誠・元幹事長にも支援を仰いだ。総力戦の体制を敷いたことが勝因だ。
・民主党は、福岡2区を主戦場としていた。首相の盟友である山崎氏を落選させることが、小泉政権に痛手を与え、政権戦略に弾みをつけることになる、という戦術的判断からだ。
・福岡、仙台とも、民主党が有利とされる都市部の選挙区だ。2議席を失ったのは、明らかに敗北だ。今後、党内から岡田執行部への批判が出るのは避けられない。
(貼り付け終了)

 読売はぶりぶり。自民党万歳。小泉万歳。そして公明党については触れない。勝因分析で創価学会に触れないなんて,こんな新聞はいらないね。自民党が総力戦で勝ったなんて分析がいかに稚拙なものかは常識がある人なら分かるでしょ。そんなに現政権におもねってメディアとして生きにくくないのかなあ。

 なぜか朝日の社説は選挙には触れていません。社民も共産も相手にされていなかったからでしょうかね。ま,何書いてもあの新聞はもう信用ないですけどね。僕の中では。

 さて,社説の比較をやってみましたが,こういう取組みもなかなか面白いもんです。またやってみようかな。  
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2005年04月23日

『デジタル家電が子どもの脳を破壊する』

7371264a.jpg金澤治『デジタル家電が子どもの脳を破壊する』講談社+α新書 お勧め度★★★
(内容紹介はじめ)
 最近子供の脳が退化を始めているのではないかと感じることが多い。単純なデジタル処理しかできない思考回路によって本能を覆うべき理性が取り払われているのではないだろうか。子供の脳は未発達であり,未熟な脳に高度な情報を与えれば消化不良を起こすのは当然だ。子供を静かにさせるために必要以上にテレビとゲームを与えることを教育とは言わない。健全な家庭を前提とした子育てについて大人が見つめ直さないといけないだろう。
(内容紹介おわり)

 題名がセンセーショナルだったのでつい買ってしまいました。読んでみれば,新書ですしそれほど専門的な事柄が書いているわけではないのですぐに理解できたのですが,はっきり言って題名が強すぎるという印象を受けました。脳の専門医による著書ですから,もう少し論理的で科学的にデジタル家電の及ぼす影響について触れられているのかなと期待していたら裏切られたという感じです。かろうじて★を3つにしたのは,著者も明確な提言を本書の中で何度も行っていることについて評価したものです。

 例えば,題名から簡単に結論が帰結できるとはいえ,子どもの脳に与える影響を低減するために家族としてどのように取り組むべきかということについて,著者の思想がびっちり詰まった提言がなされています。ごく簡単に言えば,家族でもっと話をする時間をもちなさいということです。もっと言えば,親が子育てをテレビとかゲームに任せすぎで怠けすぎだということです。これは至極ごもっともで,僕も常々思っていたことですからすぐに共感できました。

 こんな感じで,本書は親の責任を鋭く突いている箇所がいたるところに目につきます。毎日,てんかんなどに罹患した子どもと向き合う,つまりは子どもを連れてくる親と向き合えばこのような結論に行き着くのは当然でしょう。結論,家族でもっとコミュニケーションをとりましょう。

 その他は,子供の脳は発展途上なので処理しきれないような情報を与えること,例えば動きの速いゲームを長時間するとか,ポケモンのようなピカピカ効果の多いアニメを見るとかは,子供の脳の発達上著しいマイナス効果を与えるだとか,それが積もり積もって本来なら成人した人間なら備えているべき抑止力や理性というものが身に付かなくなる(本書では”脳内でただ単に「快」か「不快」かという二進法的なデジタル処理によってしか吟味されずに出力されてしまっている”と書かれています)とかいうことが書かれてあります。ま,それほど新しい理屈だとは思えませんでしたので簡記するにとどめます。

 もう一つ付け加えるならば,著者は必ずしも絶対的にデジタル家電を使うことを禁止すべしとは言っていません。あくまでも脳内の処理が付いていけない子供の間はすべきでないし,そういう大事な時期の教育はもっと親がやり方を考えるべきだと主張しているにすぎません。そういう意味で,著者はデジタル家電悪玉論をとっているわけではないことを付記しておきたいと思います。

 最後に,僕ならこういう場合どのような処方せんを書くかについてまとめてみます。もちろん全ての家族を救うような高度なものは提供できませんし,汎用性はあまりありませんからそんなに期待しないでください。

 以前もここで書きましたが,僕は老人力を大いに活用すべきだと思います。別に親族でなくてもいい。子供や孫としゃべりたいけど遠くに住んでるのでなかなか会えずに寂しく暮らしている老人はたくさんいます。彼らの多くは戦争体験者です。本物の戦争を知らないくせにゲームで何人もの人間を殺すことに慣れた子供たちが破壊された脳のまま成人して,簡単に「中国と戦争しろ」とか言い出すことこそが一番こわいので,切実な戦争体験を伝えてくれる人たちの存在は非常に貴重なはずです。別に戦争体験を伝えるためだけに老人力を使うわけではありません。副島隆彦が提案するように,日本人の富の70%を握る彼らの財産が相続税などで国に盗られる前に,前途ある子供たちに使ってもらうのが一番良いと思います。国の官僚に任せていたら有望な子供に資金が回る前に自分たちの懐を暖めるために使ってしまうでしょうからです。多くの老人達も自分の子供や孫がどうしようもないバカだったら,クラスで一番見どころのある生徒に投資してあげればいい。こんなに有り難がられる投資はないと思いますし,子供たちも発奮するでしょう。発奮しないような子供には投資する必要はないので,効率的な資本の投下が望めるのです。

 これは国とか公共団体が提案してやりましょうというものではありません。前述したように必ず利権が生まれるからです。老人をないがしろにするような国や大人に任せるとロクなことにはならないので,あくまで小さなコミュニティ単位で始めるべきです。僕はその一つの単位として我が寺を活かせていけたらなあと考えています。  
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2005年04月22日

『チャイナ・コントロール』その2

 昨日に引き続き浜田和幸『チャイナ・コントロール』祥伝社についての書評を書きます。
 まず紹介するのは,中国が世界中の企業を相手に技術を盗みまくっているというもの。

(p.55より引用開始)
また,二〇〇三年八月,FBIのスパイ摘発部門の責任者デービッド・ツァーディーがAP通信に語ったところでは,「アメリカにとって今後十年で最大の脅威になるのは,中国だろう。なぜなら,中国はアメリカ国内に三〇〇〇社を超えるフロント企業を所有し,そこから経済,技術に関する秘密情報を盗み出しているからだ。こんなに大掛かりなスパイ活動を行っている国は他にない」と言う。
(引用終了)
 
 アメリカでさえこの状況です。よく知られたことですが日本にはスパイ活動を取り締まる法律がないので,今でも情報はだだもれ状態です。国家ぐるみでスパイ活動している国(しかも彼らは罪悪感なんてないでしょう)と無条件で仲良くやれというのは無理ですから,日本としては最低限スパイ防止法みたいなものを作る必要があります。でも人権擁護法案と同じで,スパイをどのように定義するのかとか,誰が決定するのかとかいう問題があちこちから出てくるのでしょうけど。特に左巻き系から反対論は多いでしょうね。

 本書59ページによると,マイクロソフトのような大企業もシステムのメンテナンスの下請けに多数の中国系アメリカ人を雇用していて,彼らが第一線のスパイ活動を展開しているようです。人件費が安いからといって雇用した人たちが実は最も大事なデータを本国に持ち出しているというわけです。結果的に高くついているとも言えるでしょう。こうやって人民解放軍が資金を出してアメリカ国内に設立したフロント企業が様々な先端技術を合法的な手段で中国に持ち出しているらしい。アメリカの真似が好きなどこかの国も同じようにやられていると見て間違いないでしょう。

 本書は「日本人が知らない現代中国の闇」という章に続いていきます。ここでは真珠湾攻撃が米中両国が仕組んだ特殊工作であったこととか,現在も人民解放軍を海外で活発に展開していることなどが書かれています。その中でも特に日本のODAについて,中国政府が国内向けには「日本の側から償いとして援助をさせてくださいと言ってきているのだ」という説明をしているということをスルーするわけにはいきません(p.79)。日本人が一生懸命働いて得たお金が感謝もされない形で隣の国を富ませるために使われているというのは非常に情けない。今日も小泉首相はバンドン会議で村山談話を踏襲したみたいですが,こういう状況が続く限りいつまでたっても感謝されないままなのでしょう。空しいですね。

 それから「闇」という部分で気になるのは,中国政府が発表する各種の統計数値がいかにうさんくさいものかというものです。GDP成長率については8%成長などと言われていますが,きちんと検証する術がないために数字が独り歩きしていて,他の数値で妥当性を推量すれば,過少報告だと結論付けるレポートから過大報告だとするレポートまで実に様々な検証結果が出るようです。金がすべての「国金政治」がまかりとおる中国ですから,他人を騙すことなんて何とも思っていないようで,信じて投資する方が悪いとさえ言えるような状況のようです。BIS規制の自己資本比率8%を無視する銀行や,麻薬,ニセ札,環境汚染など大問題のオンパレードですから,カントリーリスクは我々が思っている以上に大きいようです。中国株とかに投資している人,またはこれから投資しようとしている人は要注意です。ちなみに僕は中国ものには全く興味がありません。今のところ元にも手を出すつもりはありません。

 本書の後半部分は,日系企業が中国に進出して成功した事例(ソニー,松下など)とその原因,失敗した事例(新日鐵など)とその原因についての記述があります。詳しくは紹介しませんが,現地の中国人をどのように扱ったかで差が出たようです。中国ビジネスを考えている人は読んでみると参考になるでしょう。

 そしてメインとなる最終章は,こうした中国の現状や様々な問題点,リスクを認識したうえで,日本として今後どのような施策をとっていくべきかという処方せんがちりばめられています。全部を書いてしまうと本書を読む動機がなくなってしまいますので敢えて書きませんが,要するに50年は進んでいるといわれる日本の技術力と資金力を上手に使えというものです。「上手に」というのは対中交渉の様々な場面で切り札として使いうるという意味です。中国企業は日本の先端技術を真似して盗むことはできますが,それらを活用して新しく何かを生み出すまでの技術力はないですし,中国の国内では技術力重視の教育を行っていないのでこれからもその技術力が培われることもないだろうという読みがそこにはあります。アメリカに仕掛けられた円高に苦しみ,今では死語となったグローバルスタンダードによって壊滅的な被害を受けたにもかかわらず土俵際で踏ん張っている日本企業の技術力は,チンピラ帝国に真似できるような水準ではありません。資源のない日本が唯一国際的に認められているのがこの技術力と,勤勉な国民による高い貯蓄率なわけであり,やりようによっては世界をリードすることだってできるのです。ただし現代中国の弱点をついて日本の国益にするのだという意識がなければこれは実現しません。日本の政治家達は是非この視点を保って日本の国益を第一に考えて策を練ってもらいたいものです。  
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2005年04月21日

『チャイナ・コントロール』

48b5eb14.jpg浜田和幸『チャイナ・コントロール』祥伝社 お勧め度★★★★
(内容紹介はじめ)
 「世界の工場」「世界のマーケット」として経済発展を続ける中国。日本企業も製造拠点をシフトし,ビジネスチャンスをうがった進出が著しい。だが,中国の真の狙いは経済発展による国民生活の向上などではなく,世界一極支配を進めるアメリカとの「最終対決」である。人民解放軍と北京政府はその準備を着々とすすめている。米中対決構図の中で,日本が中国を利用し,政治経済両面で漁夫の利を勝ち取るための戦略とは何かを探る。
(内容紹介おわり)

 つい先日,中国内部の人間以外の人が書いた本には興味がないと言った矢先に,日本人の本を読みました。おいおい,という突っ込みは軽く流します。著者の浜田和幸氏はこのブログでも何度も取り上げているように,我々が通常の生活を続けていては得られそうもない様々な情報を流してくれるわけですが,ただのメッセンジャーではなく,今後日本としてどうすべきか,何をしてはいけないか等の処方せんも提示してくれるところに,氏の一流の戦略研究家たる自信を覗くことができます。現状を悲観するだけの経済学者とか,理屈にならない屁理屈で読者を煙に巻こうとする御用学者と違って,日本のことをきっちり考えている姿勢にはいつも敬服します。

 本書は平成15年9月に発刊されたものですから,現在ではすでに1年半が過ぎています。とはいえ僕にとっては知らないことが多く読んだ価値は十分にあったなと思います。特に僕自身がまず反省しないといけないのですが,最近の中国韓国の暴走に釣られてうっかりアメリカの策(日中関係悪化オペ)に乗ってしまうところでした。アメリカの活動家が中国で反日運動を煽っているらしいのですが,そうとしらずにアメリカ様の対等同盟国として(笑うところね)意中を忖度して中国批判を毎日繰り広げる読売,産経の社説を至極ごもっともだと考えてしまった僕は猛省しなければなりません。アメリカの支配者達は内心ほくそ笑んでいるのでしょう。もっとやれと。どうしてたった1冊の教科書が検定に通ったぐらいであんなに騒ぐのか,いや騒げるのかウラがあると読まないといけませんでした。結局,日本と中国の関係が悪化するのを喜ぶのはアメリカしかいないわけで,副島隆彦氏が常々「アジア人同士争わず」と言っているのをすっかり忘れていました。

 ただし大使館が攻撃された以上は,経済戦争というかお灸を据える行動は日本から発動すべきだと僕は思っていますので,国際世論にもっともっと訴えかけて,中国に「ODA減らすなんて言わないで。日本の最新技術を提供してもらわないと盗めない,いや技術交流できないじゃないの。鉄鋼が日本から入ってこないとスタジアムとか建てられないのよ。オリンピックができなくなると困るんだよ。頼むよ。こないだの反日暴徒に参加したやつらはどうにでもなるから。ね,許してよ。」と言わせないといけない。でないと他の国でも大使館が狙われちゃう。なんちゃって。こんな野蛮なことする国は中国韓国ぐらいしかないでしょうけどね。

 本の内容に移りましょう。本書は最初から,中国発のSARS騒動を政府がメディアコントロールしてアメリカの陰謀にすり替えた話から始まります。続いて人民解放軍参謀総長のお墨付きを得て作られた『超限戦』という軍事戦略の報告書の内容が挙げられています。まずはここを引用しておきます。

(p.19より引用開始)
その中には,「アメリカのような超大国に対して,遅れた軍事力しか保有しない中国が互角の勝負を挑むには,”非対称の戦術”に頼らざるをえない」ということが述べられていた。非対称の戦術というのは,アメリカのような大国であれば決して使わないと思われるようなテロまがいの戦術や生物化学兵器を使うという発想である。
 たとえば暗殺,爆弾テロ,麻薬,毒ガス,コンピュータ・ウィルスを使ったサイバー・テロ,金融戦略,心理戦,情報戦,環境破壊といった戦術であり,いわば国際法を無視した「禁断の戦略」なのである。(略)『超限戦』における戦術の分析では,かつて地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教についても,中国にとって貴重な実践例として高い評価が下されている。
(引用終了)

 昨日紹介した記事で,どっこいアメリカもサイバー・テロの準備ができていることがわかりましたし,イラク戦争で劣化ウラン弾を普通に使ったり,バブル期の日本に対して金融戦争を起こしたりと,必ずしも大国アメリカが正攻法しか用意していないというわけではないのですが,中国としては冷静に軍事力を比較してあらゆる手段を用いるしかないという結論を出しているわけです。間にいる日本のことなんておかまいなし(笑)。日本が憲法九条にしがみついているあいだにお隣の国でものすごい作戦が立てられているんですね。

 これが1年半前だったら,怖い怖いで済んでいた(本当はすませてはいけませんが)のですが,昨日得た情報によれば大きな動きが出てくるかもしれません。しばらく本の内容からちょっと離れます。昨日4月20日の「株式日記と経済展望」(当ブログ左欄にリンクあり)にあるとおり,遠距離爆弾について中国がアメリカに並ぶ装備を完了したことを考えれば,まさに台湾有事が喫緊の問題として考えられなければならない局面に来ていることがわかります。今のままだと中国が台湾に軍事進攻すれば即効で併呑されるでしょう。国際世論がそれを阻んでいるものの,常識と理屈が通じない中国の軍隊をいつまで抑えれるのかは疑問です。異常な元安をもとにして世界第二位の外貨準備高をつかんだ中国(一位はもちろん日本)の力は決してあなどれず,場合によってはアメリカも台湾を放棄せざるをえなくなるかもしれない。ま,今のところは絵空事ですが,そうなれば日本は安全に中東の石油を輸入することだって脅かされるようになってかなりのアゲインストが吹きすさぶことになることも予想されます。だからこそアメリカはキッシンジャー人脈で中曽根元総理をせっついて憲法改正を急がせているのではないかと僕なりに勝手に読んでいるのですが,真相はわかりません。いずれにせよものすごい問題をはらんでいるのだから,良識のあるマスコミによる真相報道をお願いしたいものです(半分諦め)。

 本の紹介はほんの2割ぐらいしかできませんでした。明日のエントリで続きを書きます。  
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2005年04月20日

米中のサイバー戦争がいよいよ現実のものとなってきたようだ

 今日もいろんなニューズがありました。特にネット技術関連の話が多かったのでかいつまんで紹介します。

(Apr/20/05 AP通信(Wired Newsが翻訳)より引用開始)
【巧妙な中国政府のネット検閲、米の調査で明らかに】
 米国の研究機関が中国政府のインターネット統制について調べたレポートが14日(米国時間)に発表された。それによると、同国政府は様々なレベルで手段を講じ、体制を批判する言説のみを正確にブロックしており、その手法はますます洗練されつつあるという。
 精度が高まったことにより、中国政府のフィルターは、チベット一般に関する内容をそのまま通し、チベット独立関連の内容だけをブロックできるほどの機能を持つようになった。同様に中国政府は法輪功やダライ・ラマ、天安門事件など、要注意と見なされるトピックに関する議論を効果的に取り締まっているという。今回の調査は、『オープンネット・イニシアティブ』によって行なわれたもの。(略)
 「技術の急速な変化にもかかわらず、中国は世界のどの国よりもインターネットのフィルタリングで成功を収めている」と、今回発表された調査の中心となった1人でハーバード大学ロースクール『インターネットと社会のためのバークマン・センター』責任者の、ジョン・ポールフリー氏は語る。(略)
 米国に次いで世界第2位のインターネット人口を抱える中国では、政府はビジネスや教育目的のインターネット利用を促す一方で、体制批判やポルノなど、共産党政権が要注意と見なすトピックへのアクセスの遮断に努めている。ただし、中国のネットユーザーの多くはこうした統制を回避する方法を心得ている――例えば、プロキシサーバーを使うことで本当の所在を隠すといったやり方だ。(略)
 「キーワードレベルでのフィルタリングはさらに精度を上げることもできる」と、ポールフリー氏は言う。「中国政府は、国民にインターネットの利用を促し、ひいては経済成長につなげたいと考えている。すべてのブログサーバーを閉鎖するのは政府にとっても賢いやり方とはいえないのだろうが、どんな形であれ体制批判は流したくないのだ」
(元記事はこちら
(引用終了)

 中国が躍起になって奴隷国民の目を真実から逸らそうとしていることはこういう記事からもよくわかります。でも名前のとおり「インター」ネットなんだから,そもそも全てを遮断するのは不可能です。ネットの利用を禁止してしまえば可能ですが,経済成長に繋げようという意図がある限りそんなことはできません。でも,より真実を知りたいと思っている中国人はたくさんいるわけで,記事にもありますがプロキシサーバを使ったりしてうまいこと問題サイトを閲覧することだってできてしまっているわけです。とはいえ彼らがそうやって知った真実を国内で流布させることができるかというと,その時点で中共が乗り込んできて殺されてしまうのでしょうから,やっぱり大人しくしているしかない。もう一押しが必要なんだろうなあ。僕はその可能性を解く鍵はP2P技術にあるのだろうと読んでいますが,今のP2P技術だとプロバイダ側を北京政府がP2P禁止規制で縛ってしまえばブロックできてしまうので,この線でももう一歩必要なんでしょう。中国の国内をかく乱させるためにはサイバーテロ返しが有効だと思うんですけどねえ。こんな記事もありましたし。

(Apr/20/05 Wired Newsより引用開始)
【米軍、強力な「サイバー戦争部隊」を秘密裏に組織(上)】
 米軍が世界で最も手強いハッカー集団を組織していることが、このたび判明した。すでに巨額の費用が投じられているこの極秘攻撃プログラムは、電力供給網から電話網まで、敵のさまざまなネットワークにサイバー戦争を仕掛ける能力を備えているのではないかとみられる。
 このハッカー集団の存在は、先月開催された米上院軍事委員会の公聴会で明らかになった。米戦略総司令部(ストラトコム)所属の軍幹部が、『ネットワーク戦のための機能別部隊統合司令部』(JFCCNW)と呼ばれる組織の存在を認めたのだ。(略)
 JFCCNWの能力は極秘扱いとのことだが、ネットワークを破壊したり、敵のコンピューターに侵入してデータを盗んだり改竄(かいざん)したりといったことは可能だと、バートン氏はみている。同氏によると、たとえば、ワームを放って相手の指揮統制システムをダウンさせ、地上部隊との交信や命令系統を断つ、あるいは地対空ミサイルの発射を阻むといったことも可能かもしれないという。(後略)
(元記事はこちら
(引用終了)

 明日書評を書く予定の浜田和幸『チャイナ・コントロール』祥伝社でも触れられていた,サイバー戦争についてアメリカ軍が万全の体制で中国のサイバーテロを迎え撃つ準備ができているようです。記事の後半部分(省略しました)には,このサイバー戦争部隊は守備専門ではなくて攻撃のシミュレーションに多くの時間を割いているらしいことが書かれていますので,中国が仕掛けてそれを迎え撃つというシナリオの他に,日本の真珠湾攻撃でとった作戦のようにわざと中国に仕掛けさせてそれを迎え撃つ,あるいは日本のプロキシサーバを介して(日本がやったことにして)中国の人民解放軍のシステムをハッキングするなんてことも考えているかもしれません。いずれにせよ日本をまたいでサイバー戦争を起こされるのは気味が悪いですね。いくら電波戦争だと言っても。日本はちゃんとこういう戦争に備えた特殊部隊って育てているのかな?でも,いくら詳しいからって言ってもアキバ系の兄ちゃんばっかり集めてもだめだぜ。

 こういうぶっそうなニュースを続けるのも肩が凝るので,最後はほんわかニューズを。

(Apr/20/05 Wired Newsより引用開始)
【声でメールを書ける携帯、米国で発売】
 韓国のサムスン電子社は18日(米国時間)、声でメールを書ける携帯電話『p207』を米国で発売した。マイクに向かって文章を読み上げるだけで入力できるので、キー操作から解放される。「口述筆記」機能を搭載したのは世界初という。
 日本以外で普及しているGSM方式の機種で、米国の大手携帯電話会社、シンギュラー・ワイヤレス社が採用した。あらかじめメールアドレスを登録しておけば、相手の名前を言うだけでアドレスも入力できる。声でダイヤルしたり、ソフトを立ち上げることも可能だ。
 初めに自分の声を記憶させるため、数分間かけて122種類の単語を吹き込む必要がある。学習機能もあり、使えば使うほど精度が増すという。米ボイスシグナル・テクノロジーズ社の『ボイスモード』技術で実現した。
 EDGE方式の高速データ通信にも対応しており、カメラも内蔵。オンライン直販価格は79.99ドル。
(元記事はこちら
(引用終了)

 サムスンが韓国語じゃなくて英語からサポートを開始するってところがミソかな。マーケットの大きさを考えれば当然なんでしょうけど,韓国人ってあんまり愛国心ないですね。いくら世界初の技術でもヨソの国で発表するのを優先するなんて。僕の頭が古いだけかもしれませんがね。ま,そんなことはどうでもよくって,早く日本語でもできるようにならないかなあ。母も毎日大量のメールを受け取って大量のメールを返しているようですが,効率が悪くて面倒だと常々言っています。僕はあんな指だけで文字を打つなんていう非効率なことはしたくないので,長文メールを送るときはパソコンで打ってからPHSを中継して送っています(それも面倒なときはヘッダーを書き換えてPHSから送ったように見せかけることまでしてしまうときがありますが)。いずれにせよ60手前のおばちゃんにハイテクなことは押し付けられませんから,ボイス機能のついた携帯を早く日系企業も開発して欲しいものです。ものすごい需要があると思いますよ。

 おまけ。MacOSX10.4 Tigerが9日後に発売されますが,Microsoftがまたマネマネの呪文を唱えているようです。全文掲載すると長いのでリンクだけ張ります。興味のある方はご覧ください。ま,Appleの斬新な技術をMicrosoftが簡単に真似するってのは今に始まったわけではないですがね。USBもFireWire(SonyはiLinkだとか呼んでましたね。もう呼んではいけないことになりましたが)も無線LANもBluetoothも始めに世に問うたのはAppleなんですけどね。ああTigerが楽しみです。ちなみに僕はアカデミー版をゲットできる資格があるのでラッキー!
(リンク)【TigerとLonghorn--これほど似通っているのはなぜ】  
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2005年04月19日

わが家もiPod一人勝ち

 親父が「iPod photo 60G」を購入しました。さすが住職。買いっぷりがいい。いつもこのサイトを見ていただいている知人も先日フラッシュメモリー型の携帯音楽プレイヤーを購入されたそうで,ちょっとしたブームになっている・・・と勝手に決めつけています。

 僕も初代「iPod」を鹿児島で仕事をしているときに購入して以来,この分野の商品はずっとワッチしていますが,Apple贔屓ということもあってやはり「iPod」を超える名機には遭遇していません。最近は毎日の犬の散歩の時用にRioの「su70」を使っていますが,フラッシュメモリ型だとどうも音質がイマイチです。その点はわかってて買ったので,mp3じゃなくwave形式(MacだったらAIFF形式)で取り込んでいるのですが,CD音質そのままというわけでもないようです。仕様だから仕方ないか。

 実際に買って使ってみないと細部まではわからないものですね。さんざん「iPod mini」を買おうかどうか迷ったのですが,犬の散歩程度の利用しかしないのにHDD型の高価なものを買う必要はないなあと妥協したのが間違いだったかも・・・。とはいえ「iPod shuffle」を選ばなかったのは,液晶画面がないのと標準仕様がshuffleな点が大きな理由でしたが,この判断は正しかったとは思っています。まあだからといって「iPod mini」を買い直すお金なんてないですけどね・・・。

 親父の話に戻りますが,Windowsユーザーの親父はAppleが無償提供しているiTunesの作りに大変感銘を受けていました。僕から見ればWindows用のiTunesはチャチなAPIが足を引っ張っていて,本来のMacで見れるようなCocoaベースのAquaなインターフェースが発揮されていない点が不満ですが,機能的にはMac版と同じなわけですからビビるのも無理はない。後は国内でiTunesMusicStoreが早いことサービス開始してくれれば万万歳なんですけどね。いずれにせよ僕のしつこいMac洗脳が親父にも徐々に効いているようで非常にうれしいです。

 今日は雑事を忘れて趣味の話で終わっておきます。郵政民営化のこと,BSEのこと,中国のこと・・・書きたいことは山ほどありますが,徐々にということで。  
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2005年04月18日

ライブドア問題のまとめと僕の対中政策論

 ライブドアとフジテレビの買収騒動が一息ついたようです。

(Apr/18/05 NIKKEI NETより引用開始)
【フジ、ライブドアと和解・出資などで1473億円支払い】
 ニッポン放送の経営権を巡って争っていたフジテレビジョンとライブドアは18日午後、資本・業務提携などで合意したと発表した。フジがライブドアの保有するニッポン放送株全株を買い取るなどで同放送を完全子会社にするほか、第三者割当増資の引き受けでライブドアに12.75%出資する。フジ側からライブドアへの支払いは合計1473億円になる。産業界を揺るがせた買収合戦は、金銭面で歩み寄ることにより双方が妥協点を見いだした。
 フジの日枝久会長、村上光一社長、ニッポン放送の亀渕昭信社長、ライブドアの堀江貴文社長は同日、都内で共同記者会見を開いて発表した。
 フジはまず、ライブドアの子会社でニッポン放送株の32.4%を保有するライブドア・パートナーズを5月23日付で買収する。買収総額は670億円。
 これによりニッポン放送に対するフジの出資比率は68.87%となり、ニッポン放送の子会社化を実現する。6月下旬のニッポン放送株主総会で、フジはニッポン放送の議決権の3分の2以上を握る。
(引用終了)

 ホリエモンもここまでのイメージダウンは想定外だったでしょうね。イメージ先行で企業を大きくしてきた会社ですから,さすがにこれ以上もめるとよくないと判断したのでしょう。一部ではホリエモンが徹底的に闘ってくれなかったので残念とする向きもあるようですが,男気だけでは商売できませんから僕は別にどうも思いません。ま,トータルで見たらこの買収劇はライブドアにとっては失敗でしたね。

 ただしこの一件は僕にとってはかなりの収穫がありました。日ごろから自己責任論を掲げているくせに自分がやられたらお上や世論に泣きつくなんていう醜態をさらしたフジサンケイグループの主張が,いかに欺瞞に満ちたものであり偽善的なものであるかということが確認できましたから。日本の本当の保守言論の人たちからも失笑を買っているようですし,これじゃ朝日新聞を笑えないじゃないかというレベルであることが露呈しました。ま,そうは言ってもこれが今のマスコミの実力なんでしょう。中国にへいこらへいこらの朝日,アメリカにへいこらへいこらの産経では,どちらも「正論」は語る資格はありません。

 産業界にとっても大きな収穫はあったでしょう。何といっても時間外取引による大量の株取得という法の抜け穴を今後は防げることや,企業買収の手法や対処方法の知識が得られたこと,定款変更などの手続きが株主総会までに準備できること,アメリカが「年次改革要望書」で開放を求めていた三角合併が1年延期できたこと,会社は誰のものかということを各社が考える機会が与えられたことなどが挙げられます。これは奇貨とせねばなりません。その意味で各社はライブドアに感謝してもいいかもしれません。結果論ですが。

 買収騒動が終わったところで,僕も今回学んだことなどをまとめておく必要があります。この事例をさらっと流して過去のものにしてしまうのでは学習とは言えない。いつのまにか忘れられているNHKと朝日の捏造問題みたいに風化させてもいけない。ということで機会を見て別エントリで書きたいと思います。

 今は中国問題の方が面白い(在中の邦人の方々には失礼な言い方で申し訳ありません)。いつぞやは竹島を韓国にくれてやれと書いた朝日新聞の社説も最近は妙に冷静になってきているし,今日付けの社説では中国は法治国家ではないと明記するまでになってきています。もうさすがに擁護しきれないと思ったのと,いつまでもいい子ちゃんでいたいという社風(?)がそうさせたのかもしれませんが,中国側が朝日新聞を使って日本人をコントロールしようとする力がかなり弱ってきているのは事実のようです。逆にいえばNHK圧力問題と捏造事件,それからたった1冊の教科書問題でデモまでする中国人の気質はかえって朝日新聞読者の良心を覚醒してしまうことになり,マインドコントロールを一斉に解いてしまったとも読めます。何があっても日本だけが悪いという姿勢がさすがにおかしいということに読者もようやく気がついたのでしょうし,表には出てきませんが新聞購読中止の激増とかで経営の方針を変えざるをえなかったのではないでしょうか。

 今本屋に行けば中国関係の書籍が山のように並んでいます。全部読む時間はないですが,台湾の人や日本人が書いたものは最初からバイアスがかかっていますから,目次だけ見たらほとんど内容がわかりますのでじっくり読もうとは思いませんが,僕が時間かけてでも読みたいと思うのは中国人自身が書いたものです(もちろん中国国内では発禁本に指定されるか著者が逮捕されたり国外に亡命したりしている)。僕が大学生の頃読んだユン・チアン『ワイルドスワン』も文化大革命を実際に経験してきた著者による作品ですから,遠くで誰かのレポートを読んで書き下ろしたような本とは重みが全く違いますし,今読んでいる何清漣『中国の嘘』も同様のことが言えます。中国ものの本を選ぶときは僕はその点をベンチマークにしています。

 西武の堤氏が逮捕されてはじめて雨後の筍のように大量の暴露本が出ているのと同じで,ただのブームに乗っただけの本は読んでもおもしろくない。日本人はまたそういうブームに乗せられやすいので,反中国ブームになると皆が皆そっちの方向に向いていく可能性が高いです。中国がけしからんのでやられたらやりかえせと言って中国大使館に火炎瓶を放り投げて良いという人もいますが,これでは第三者から見たら日本は中国と同じレベルの未発達国だと見なされてしまうので全く逆効果です。ではどうすればいいかと言うと,日本人の歴史認識を云々言う前に文化大革命にも天安門事件にも触れない中国の教科書の方が歴史認識できていないんじゃないですかと冷静に問い返せばいい。いやいや,領海を犯し,大使館を襲撃したのに「中国が日本に誤らなければいけないことは全くない」と言い切っている国家ですから,戦争をしなければならない。本当は。でもヤクザ相手に正攻法は通用しないのと(下手すると核が降ってくる)憲法で武力を用いた戦争が放棄されているので,経済産業の面で経済戦争を起こすべきなんです。

 もちろん中国に日本の最新技術を提供する必要なんてないし,理不尽な為替政策で日本の国内産業を破壊した中国を一時的にでも排除できれば,日本の中小企業も元気を取り戻すでしょう。デフレも解消されますからいいことづくしです。中国の巨大マーケットを手放すべきではないというお叱りを受けるかもしれませんが,契約不履行が普通のマーケットは手放しても損はないというのが僕の考えです。今まで投資してきた企業もカントリーリスクが示現しただけですから諦めてもらうしかない。なんてったって戦争ですから。あとは株主にきっちり説明してくれというしかありません。

 ちょっと今日は筆がすべりました。明日からはもうちょっと冷静になります。  
Posted by p-5796189 at 23:42Comments(0)TrackBack(0)