2004年11月30日

ソフトバンクがまたやりました

 いよいよ国賊ソフトバンクが球団を手に入れました。ソフトバンクファンの人には申し訳ないのですが、僕は孫正義を評価していません。確かにあのガッツは見習うべきなのですが、彼は見えないところでいろいろと大国アメリカを向いて仕事をしているからです。詳しくは以前紹介した『NTTを殺したのは誰か』『老人税』などに譲りますが、僕が見たところでは彼はインターネット狂信者ですからあまり国境とか民族意識をもっていないのかもしれません。そんなソフトバンクが「またか」ということをやらかしました。

ネット版読売新聞より引用開始)
「ヤフーBB」個人情報900人分が流出

 ADSL(非対称デジタル加入者線)事業最大手のソフトバンクBBは30日、同社のインターネット接続サービス「ヤフーBB」の会員の個人情報900件が流出していたことが分かったと発表した。
 流出したのは氏名、住所、電話番号、携帯電話番号で、クレジットカード番号などは含まれていないが、最大で約8万6000件が外部に漏れている可能性もあるとしている。
[ 2004年11月30日22時21分 ]
(引用おわり)

 今年になってから彼らは同じことやらかしましたよね。創価学会員がからんでいて結局うやむやになっちゃったニュース。覚えておられる方も多いでしょう。デジタルデータなんてあっというまにコピーできてしまいますし、今はP2Pソフト全盛時代でネットにつながっている本人自身が知らない間に自分のパソコンの重要書類をのぞき見されるということだってありうるので(自宅で個人レベルでルータとかファイアウォールを使っていればまず防げますが、クラッカー達は大規模な会社のLAN目がけて侵入を企てます)気がつけば自分が一味にされていたなんてことにもなりかねません。ソフトバンクはIT企業ですし、街で真っ赤なジャンバーを来てモデム(今はブロードバンドルーターなのかな?)を配りまくっている人達はほとんど全員が派遣職員ですから、あんまり企業への帰属意識がないでしょう。となるとそりゃあ個人情報の漏えいを完璧にシャットアウトできないでしょう。

 しかしその1時間前のニュースでは勇ましいニュースがありました。
ネット版読売新聞より引用開始)
ダイエーからソフトバンクへ球団譲渡、新規参加を申請

 プロ野球球団「福岡ダイエーホークス」を保有する大手スーパーのダイエーは30日、通信大手ソフトバンクに全球団株(発行済み株式の98%)を、50億円で譲渡することで正式契約。日本プロフェッショナル野球組織(NPB)に、ダイエーは球団株の譲渡、ソフトバンクは新規参加の申請を行った。
 また、ソフトバンクは同日、米投資会社コロニー・キャピタルが持つ球団の物品、チケット販売などの興行権についても150億円で買収することなどで基本合意書に調印。併せて、コロニーが所有する本拠地の福岡ドームの賃借について、広告看板などドームに関する事業を含めて30年間(20年後に解約できる条件付き)の長期契約を結び、年間48億円を支払うことを明らかにした。
 申請を受け、NPBは12月6日にソフトバンクのヒアリングを行い、財務状況や球団の継続保有の意思などを審査。同20日の実行委員会を経て、24日のオーナー会議で承認されれば、ソフトバンクの来季からの参入が正式決定する。
[ 2004年11月30日21時14分 ]
(引用おわり)

 これは孫さん出鼻くじかれちゃったね。明日の朝刊には同時に載るんでしょうけどイメージダウンは避けられないだろうね。反ソフトバンク連合の陰謀かなと考えるのは疑いすぎでしょうか。  

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2004年11月29日

教育について考えた

 久しぶりに「たけしのTVタックル」を見ました。テーマが教育ということだったので、結構楽しませてもらいました。

 いわゆる特区を活用した株式会社立の学校とか、義務教育6・3制を3・4・2制にするとか、様々な自治体でアイデアを出しあっていたのには非常に興味をもちました。と同時に、「クローズアップ現代」でも取り上げられていたように三位一体の改革で結論が先送りされた、義務教育にかかる費用を国と地方のどちらがもつかという問題を考えないわけにはいきませんでした。

 ご存知のように、来年の9月までに結論を出すみたいな話で落ち着いたわけですが、まあ森派の派閥内で文教族のドン森元首相がダメと言ったら小泉首相も聞かざるをえないという力関係がありありと出たというだけのことかもしれません。総理自身はあまり内容自体には興味がないようで、はじめから国の負担を全部地方に押し付けようというだけのことが、土壇場でほんちょっと妥協したということだったのでしょうけど。

 僕は憲法にも謳われている以上、国が義務教育への関わりをなくしてしまうということには反対です。したがって、今日テレビで紹介されていたような各地の改革は主に義務教育を受ける生徒達を対象としたものであるため(学級崩壊とか壊滅的な状態が頻発しているので仕方がないことかもしれません)諸手をあげて賛成とは言いません。

 ただし賛成すべき点をあげるとすれば、国が省庁同士で足を引っ張りあったり、異常な思想を振りまいてきたにも拘わらず結果に対して責任をとらない日教組が変態しない現状を考えると、こういう方法で国のやり方にゆさぶりを掛けるという手は有用なのだろうなというところでしょうか。国が将来を担うべき自国民の教育の青写真を描けないというのは致命的であり、聡明な国民が本気で現状を憂いた結果、様々なアイデアが出てきたのでしょうから、このような運動は市民レベルで支えていくべきなのでしょう。

 とは言え、番組でも放送されていましたが、文教族の議員達はどうも筋違いの珍説を振りかざして見当外れな議論をした結果、国民の義務を定めた憲法云々の話にすりかえてしまう。既得権益を守らんがための魂胆がみえみえです。僕の自説も憲法を拠り所としていますが、僕には守るべき権益は全く無いので、より純粋に憲法に則したものです。

 まだ今日考え始めた問題なので体系だった理屈ではありませんが、僕は次のように考えます。国民には教育を受けさせる義務がありますから、一方で国は教育を提供する義務があります。小室直樹氏によれば、憲法は国家の暴走を抑制するというのが第一義であり、直接地方政治を縛るものではないです。とすれば憲法を改正しない以上は教育を提供する義務はやはり国にあると考えられます。だから財源を地方に移して地方独自の教育を展開すべきだ、地域間格差はある程度は仕方がないし競争原理でうまくいくのだという地方自治体側の理論をビシッと通すには、憲法改正が必要なのではないかと(ちょっと大げさかな)。しかも今のように地方分権がほとんど進んでいない段階で、国を担う人間を育てるのに地方に任せっきりにするのは非常に危険だと思います。

 お断りしておきますが、僕は中央集権そのものには反対です。小さな政府を目指していくべきでしょうし、この政治体系はアメリカの合衆国制を見習うべきだと思っています。中央集権で権力を一身に有するエリート官僚がいないと政治が成り立たないという現状をまず変えていくべきです。三位一体の改革はまさにそこが目的のはずですから、一番デリケートな教育の部分の改革は最後にするべきです。

 じゃあ今の学級崩壊の事態はどう解決するのだ?と聞かれそうです。それなら僕は鉄拳制裁しかないと思います。先生は大人げなくムキになって生徒をどついてはいけませんが、度を過ぎた言動にはそれ相応の態度をとるべきです。本来なら目上の人への言葉遣いなどは家庭で教育されるべきですが、やらない家庭が多いのであれば社会の厳しさを学校で教えてあげるのが筋です。暴力というのはいわれのない腕力であって、殴ったら何でも暴力だとするのは明らかにおかしい。さっきも書きましたが先生は決して本気で怒ってはいけない。そのために精神的な修業も必要でしょう。『いじめと妬み』でも渡部昇一氏が書いていたように、やっぱり縦の関係がおろそかになっているのが一番危険です。

 学校の先生は立場が弱過ぎます。子供の親よりは断然強くないといけない。それが法律で保証されるべきですし(言い過ぎかな)、そうする以上、毎年先生の査定を第三者機関がしっかりとできるような体制を作るべきであり、不適切な先生をやめさせる権限をもたせるべきなのです。間違っても第三者機関には官僚や県の教育委員会委員の天下りは入れさせてはならず、地元民間企業の部長から上クラスの人たちが多数を占めていなければならないでしょう。社会の厳しさを知っていて、それを適切に子供たちに伝えられる教師であるのかどうかを査定してもらうのです。義務教育で学ぶ内容は全ての学問の基礎、ひいてはどんな職種にいても知らないと損をする知識ですし、チームプレーや奉仕活動、団体生活なども、社会人の目から査定しないと全く理想論と机上の空論で終わってしまうでしょう。

 いろいろ書きましたが、まだ自分自身でも考えがまとまらない部分が多々あります。理想論に聞こえた方もおられるでしょう。とはいえまあすぐに結論が出るわけでも無いですし、第一僕には何の決定権もありませんから、自説をこうやって細々と書き残しておくぐらいしかできないわけですが、いつの日か僕は今のこのコミュニティの中で教育に対する発言権の大きな人間になりたいと思います。  
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2004年11月28日

『英文法の謎を解く』

b4d43503.jpg『英文法の謎を解く』副島隆彦・ちくま新書 お勧め度★★★★
(要約はじめ)
 日本人の英語は、地面につっかい棒を立てて、その上にコンクリートのビルを建てたような倒壊の危険性を持つ英語である。何の実感も伴わない"This is a pen."式英語の、やせこけた細々とした英語の基本理解の心許ない土台の上に、まるで50階建ての英語知識の高層ビルを建てたようなものである(以上第1章から引用)。「こうなっているからこう覚えるのだ」式の根拠のない構文暗記教育は知的副産物を何も産み出さない。なぜこの場面でこの動詞を使ってはいけないのか?仮定法や現在完了形がいかに含蓄の多い表現であるか考えたことはあるか?日本人が学校で習う英語はこのままでは世界には通用しない。
(要約おわり)

 副島隆彦の英語教育批判本第一段です。意外と知られていませんが、著者は以前代々木ゼミの英語講師だったんです。生徒から寄せられる質問に非常に学術的に回答したものが集まって本書ができたようです(もちろん動機はそれだけではないようですが)。実は続編も続続編もあります。

 say,tell,speak,talkの違い、あなたは言えますか?いわゆる仮定法ifとただの条件文ifの違い、わかりますか? I am running.のrunningが現在分詞であるという説と動名詞であるという説で論争が起きているなんてこと知ってました?まあ最後のはともかくとして、はっきりと答えることができなければ本書を読む価値は十分にあるでしょう。

 英文法なんて知らなくていいんだ!構文を丸暗記したら十分だ!という英語教育論者がいます。海外旅行でちょっと現地の人と話するぐらいが目的ならそれでいいと思います。しかし、海外のニュースを自分の力で読もうとすると、文法をきっちり知らないと読めません。ノリには限界があるのです。僕も一時期どうやれば効率的に英語ができるようになるかなあといろんな本を立ち読みしたのですが、結局は文法がやっぱり大事なんだという結論に至りました。じゃあどうして中学高校と勉強したのに日本人は英語をしゃべれないのか?それは聞く訓練をしていないのと、Repeatingが決定的に不足していたからだろうということも結論として良いと思います。決して文法偏重主義だったからしゃべれないのではないです。英語の授業数が少な過ぎるのが原因です。

 最近は僕もVOAぐらいの英語ならすぐに読めるようにはなってきました。さすがにTIMEとかNewsweekクラスになると単語がさっぱりわかりませんが。千里の道も一歩から。コツコツやることですね。

 さて本の話は終わりまして、最近のニュースを紹介しましょう。海外ボツニュースから「海外で笑われているぞ!定率減税廃止案」です。このHP製作者レベルまで翻訳能力があれば言うことなしなんですが。

(引用開始 注:文字スタイルは揃えてあります)
あ〜あ、コイツらマジで記憶能力に致命的な欠陥があるんじゃね〜かなぁ……。

先日、発表された税調答申で、定率減税の廃止を打ち出してきたことに関する感想です。まあ、予想通りっちゃ予想通りだったけど、政府税制調査会長の石弘光が「景気へのマイナスは覚悟の上」とか無責任な発言しているのを読んで、むかついた人、多いと思います。ったく、性懲りもなく、またおんなじことやんのかよって感じ。

97年に橋龍が、景気が後退し始めていたにも関わらず、消費税率を5%にアップするなど9兆円の増税をした結果、どうなったかみんな覚えていますよね。

景気が後退し、株が暴落、株を大量に抱え込んでいた銀行がヤバくなって金融危機が起きる《平成大不況》になった。あの時、補正予算を組んだり、銀行救済に公的資金をぶち込んだりして、正確な額は忘れたけど、何十兆円という税金を使う羽目になったはずだ。

目先のことしか考えない財務官僚の言いなりになって、たった9兆円をわれわれからむしり取った愚挙の挙句が、このザマで、いったい何やってんだ!と天を仰いだもんです。

アレからまだたったの7年しかたってね〜のに、もう忘れちゃったのか?

わたしは経済には詳しくないが、海外の経済関係のメディアは、今、定率減税を廃止するのは自殺行為だ、絶対に止めろ、と論じている。経済オンチぶりが笑いものになっているといっても過言じゃない。

先日、日本のメリルリンチの首席アナリスト、イェスパー・コールという人が香港の英字経済紙に書いた経済コラムを訳したんだけど、そのタイトルは「日本経済の殺しかた」。定率減税廃止は100%、日本経済を不況にするレシピだ、と指摘した内容だった。

コールによると、いろんな経済指標を分析すると、今の日本経済は、雇用は増えているものの収入は増えていない。しかし、サラリーマンが預金を崩して物を買っているから、なんとか消費主導で景気が上向いている状態らしい。

ここで定率減税を廃止すると、一般消費者の可処分所得が1・1%減る。そうなると一気に景気が減速してリセッションになるのは火を見るより明かなんだそうだ。

英国の経済紙「フィナンシャル・タイムズ」も26日の社説に「バック・トゥ・ザ・フューチャー」という皮肉なタイトルをつけ、定率減税を廃止して橋龍の平成大不況をまたやるつもりか、と呆れかえった調子で小泉に警告を出している。今朝の日経にダイジェストが出ていたので、読まれた方も多いでしょう。

日経は例によって味も素っ気もない調子でまとめていたが、原文のほうは過激な表現が何度も出てくる強烈なものだ。まず冒頭に、マルクスがナポレオン3世をコケにする時に使ったヘーゲルのセリフ
歴史は繰り返す。1度目は悲劇として、2度目は笑劇として。
を引用している。今度、橋龍と同じ失敗をしたら、お前らホントにバカだぞ、と言外にほのめかしているのだ。そして小泉に税調のアドバイスを言下に拒否すべきだ。と強い調子で警告している。根拠はコールとほぼ同じです。ちょっと原文の雰囲気を知ってもらうために、最後から2番目のパラグラフを訳してみましょう。

消費のおかげで経済がなんとかリセッションにならずにすんでいる時に、所得税の増税など、それを口にすることすら無責任の極みである。そう、確かに日本の財政の累積赤字は巨大である。しかし、財政赤字を管理できる規模に縮小するための、いかなる戦略においても、経済成長と健全なインフレーションは決定的要素ではないか。財政の地固めに先走ることは、致命的な失敗を招く。

まったく、お説のとおりじゃありませんか。小泉さんよ、あんたの居直りとペテンには心底うんざりしてるが、頼むから、ここだけは突っ張ってくれ。財務省のクソ官僚どもの犬になるな!

11/27/2004 10:23

情報ソース
FT.com : Back to the future
(引用おわり)

 確かに5年前は「恒久的な減税」って言ってたよね?恒久の意味わかってない人が多すぎるね。  
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2004年11月27日

『裁判官に気をつけろ!』

b37903e7.jpg『裁判官に気をつけろ!』日垣隆・角川書店 お勧め度★★★★
(要約はじめ)
 憲法、民法は戦後の産物なのに対して、刑法は未だに明治時代に作られたまま一部条文が削除されたのみの状態で時代錯誤な条文が多い。本書のねらいは三権分立の中で最も注目度の低い司法問題のうち、裁判官の恣意性に寄るところの大きい残虐犯罪や強姦・猥褻罪などの誰が考えてもおかしいと思われる判例を取り上げることにより、国民にリーガルマインドをもたせることにある。裁判官が了見不能であれば心神喪失で無罪、多少とも了見可能であれば神経衰弱で刑を減免という異常な判断基準がまかりとおる現代。明らかな強姦が男根主義裁判官によって無罪となる世界。オウム事件など極悪事件にならないと報道しないマスコミにも問題はあるが、国民がもっと関心を持つべき問題であり、一刻も早い対応が必要とされる。
(要約おわり)

 法律に興味のある人には本書はお勧め度5をつけます。著者の日垣隆氏のことは数日前にこのブログでも紹介しましたとおり、皆が忘れてしまうような小さい事件、しかし忘れてはいけない大事な結末を伴った事件について、精力的に追跡して発表している数少ない言論人です。理屈っぽいところがあって時に言葉も激しくなりますが、その取材力と文章力は確かです。

 さて、大学の法学部を卒業していない僕にとっては、銀行員になるまで法律の面白さはわからずじまいでした。銀行員1年目で民法や商法をけっこうきっちり勉強させられたこともあって、けっこう面白いもんだなあと感じたことを記憶しています。しかし、純粋に銀行で生活しているときは日本は法治国家だと思っていたのも、ここへきてやっぱり多くの矛盾点を抱えていることに気づきました。

 あらかじめ断っておきますが、何も僕は好き好んでこういう暴露本を読もうとしているのではありません。このブログで何度も伝えてきましたとおり、あまりにもマスコミが大事なことを伝えないものだから、公にならない情報が全て暴露扱いされるだけです。本書に書かれていることは全部官報などを注意深く読めば(普通の人はそんなことしないでしょうけどね)掲載されている判例です。したがって純粋に言うと暴露でも何でもない。でも正直目を疑うような驚愕の判例ばっかりなので、どうしてマスコミはこういうことを伝えてこなかったのかという疑問も出てきてしまいます。

 マスコミが伝えないという話は今回はおいておきましょう。ベンジャミン・フルフォード氏のところで述べましたから。もっと具体的な内容を見てみます。まず、定義すらない心神喪失の判定が裁判官の了見によってのみなされ、しかも裁判官が了見不能なぐらいの異常な行動をとった犯罪者達は皆、減刑されているという判例がいかに多いかということが述べられています。オウムの麻原とかは社会的事件として世論も手伝って死刑とかの判決が下るわけですが、報道すらされないような事件の場合はだいたい減刑、ひどいときは無罪になったりしているのです。人を殺しているのにですよ!法学部出身の方にとっては当然だよ、そう習ったよと言うかもしれませんが、僕には強烈でした。

 それから、本書は半分近くを強姦とか猥褻行為とかの記述に割いています。それほど著者も憤りを感じる分野でもあるのでしょう。実際、本書に書かれている判例を読んでみると、裁判官の記述の仕方がB級ポルノ小説の描写みたいなノリ(って言っても僕もあんまり読んだことないですけどね)なので非常に気分が悪くなります。しかも最後は訴えられた男が無罪になったりするので、余計に気分が悪い。著者はこういうバカタレ判決を下した裁判官を「男根主義者」という表現でこき下ろしていますが、まさしくそのとおりだと感じました。例えば次のような記述です。

(判例文引用はじめ p.113)
 本件姦淫現場において、被告人が被害者に対して加えた暴行は、助手席を後ろに倒し着衣をはぎとり、同女の上に乗りかかったという程度のものであって、それ以上に同女を殴打しあるいは足蹴りにする等の暴行を加えておらず、脅迫はきつい口調で「じっとしていろ、うるさい、どつくぞ」等といった程度のものであって、これに対する同女の抵抗も両手で被告人を押す程度のものにすぎず・・・
(引用おわり)

 これが無罪ですよ。「程度」って何?おいおい。強姦そのものじゃないの。

 しかし、こんな被害者の立場にたたない判決は許さない!という機運が高まり過ぎると、逆に満員電車の痴漢冤罪が増える可能性もあると著者は指摘しています。この痴漢については刑法ではなくて迷惑防止条例で取り締まる場合が多いことが原因と著者は考えているようですが、いずれにしても被害者(なりすましも考えられる)の証言だけが過度に採用されてしまうのも非常に危ない。

 結局、日本は法治国家ではないし、罪刑法定主義が不完全な国だと断定しています。明治時代お手本にしたドイツの刑法は戦後も35回改正されているとのことです。日本は完全に男尊女卑的な条文が数条削られただけ。裁判官も弁護士も検察官も過去の判例を熟知していて問題があるのがわかっているのに、ほとんどの人が声をあげない。本当のリーガルマインドというものを忘れているのが、日本の法曹界の人々なのだなあとつくづく思いました。

 同じ法律の本として『裁判の秘密』『法律学の正体』副島隆彦・山口宏共著・洋泉社を次は読んでみたいと思います。  
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2004年11月26日

RAVE METAL

e1864303.jpg ちょっと気になるデジ物を見つけました。その名も「RAVE METAL」。シーグランドという会社が出しているMP3プレイヤーなのですが、まあ実物を見てもらいましょう。

 MP3プレイヤーについては僕は既にiPodを持っているのですが、英語の勉強をするにはちょっと使いにくい。二年半前に買った初代iPodという点はさておき、容量が大き過ぎて(今売っているiPodはさらにでかい)英語の数分のスピーチを繰り返し聞くには大げさすぎるのです。Macにつないで自動的にファイルが転送されるというのは非常に使い勝手が良いのは確かですが、毎日の英語ニュースを繰り返し処理したMP3を毎日頻繁にアップデートするにはやはり大げさなのです。そこで何かこのニッチなニーズを満たしてくれるものはないかと、先月オープンしたばかりのK'sデンキに行ってきたところ、まあいろいろありましたね。

 昔からRioというブランドが好きで、このシリーズの中から買おうと思っていたのですが、すべて乾電池使用でした。乾電池を交換し続けて使うことに抵抗のない人は良いでしょうが、僕はダメなんです。だっていちいち買いに行かないといけない。というわけで他にないかと探したところRAVE METALを見つけたわけです。見た目はイマイチ。でもまあいいでしょう。誰に見せるわけでもないですしね。気分的にも僕は実用性の方を重んじますので全く気になりません。

 さてどれだけの機能があるか紹介しましょう。

1.ヘッドフォンやスピーカーに接続してMP3やWMAが聞ける。僕はMac使いなのでWMAは馴染みがないですが、MP3が使えるなら十分です(欲を言えばAACに対応していて欲しかった)。MP3もLameでエンコードすれば音質も良いですし(英語のスピーチに音質もクソもないかもしれませんがね)。

2.カセットデッキ再生機能つき。見た目のとおりです。ラジカセのカセット部分にそのまま突っ込めば使えます。かなり画期的!まあ他社は思いつかなかったんじゃないかなというぐらいすごいです。カセット付きの車で重宝しそうですね。iPodでも車載キットなんかで使おうと思えば使えるのですが、配線がじゃまくさい。やっぱり四の五の言わずガチャッと突っ込んで使えるのは素晴らしい。

3.miniSDカードスロット搭載。パソコンにつなぐときカードリーダーにもなります。これはまあおまけみたいなもんかな。本体が256MB(128MBモデルもある)ですからminiSDでさらに増やすことも出来ると。ただminiSDでも256MBメディアは高いからねえ。

4.ダイレクトレコーディング機能搭載。AMラジオとかカセットテープなどの音源とつなげばデジタル録音ができます。これはすごい。NHKのラジオ講座がパソコンなしで取りこめる!重宝しそうです。

5.ボイスレコーディング機能搭載。へたくそな僕の英語を録音してもしょうがないなあと思っていたら、これは本業(坊さん)で使えそうです。我が師の読経を録音させてもらいましょう。移動の時でもお経が覚えられそうなのでGood。

6.パソコンでの利用が簡単。USBストレージとしても使えますので、パソコン側は外部メモリとして認識するようです。ちなみにUSBってUniversal Serial Busの略ですよー。最近のパソコンには大概ついています。

7.イコライザ機能搭載。まあこれは大概の音楽プレイヤーには標準搭載でしょう。

8.ファームウェアアップデート機能搭載。これは便利です。いちいちパソコンからアップデートファイルをダウンロードして云々という作業をしなくて良い。こういうかゆいところに手が届くという作りはいいですね。

9.ニッケル水素充電池使用。本当はUSB直結充電か、専用DockでACアダプタ経由充電であればベターでしたが、まあ妥協できる範囲です。少なくとも乾電池よりは何度でも充電して使える電池がついているのでOKです。

10.8時間連続使用可能。これは評価がわかれるところでしょう。最新iPodは12時間連続使用可能ですし、SONYかどこかのモデルはもっと長かったのが出ていたような気がします。まあ8時間も連続して英語は聞かんでしょうから大丈夫。カセットとして使って4時間ですが、4時間も車に乗りっぱなしでどこかに行くということもあまりないでしょうし、その時はiPodを持っていくことになるでしょうから、これもOK。

 というわけでデザインにさえこだわらなければいい製品だと思います。当然、英語の勉強だけに使うのはもったいないでしょうから、いろいろ音楽も入れていきます。256MBですからせいぜい50曲ぐらいのもんですが。製品のデザイン上、液晶パネルがなくって今何の曲が流れているかとかが目で確認できないのは決定的な弱点ともいえますが、英語のスピーチを聞くのと数十曲の曲ですから、なくてもそんなに困らないかなあと今の時点では思っています。使っていたら不満がでてくるかもしれませんが。

 気軽に使えて高機能。全く知らなかったメーカーですが、かなり見直しました。使いこんでみたいと思います。ちなみにお値段は16,800円でした。  
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2004年11月25日

『川島隆太の自分の脳を自分で育てる』

ca26983c.jpg『川島隆太の自分の脳を自分で育てる』川島隆太・講談社プラスアルファ文庫 お勧め度★★★★★
(要約はじめ)
 複雑なコンピュータゲームをしているときと単純な計算問題を解いているときでは、どちらが脳をより使っているだろうか。なんと答えは単純計算。脳科学の研究が進むと同時に、それを使った効率的な勉強方法が科学的に提示されるようになってきており、単純計算や音読などのアドバンテージの大きさについて見直され始めてきている。
(要約おわり)

 本書は中学生から高校生ぐらいを対象にした本です。そのことは知らずに買って読んだわけですが、非常にわかりやすい。著者も最近よく本を出している気鋭の学者でして、難しい本もたくさん書いているようなのですが、本書が一番わかりやすいです。脳は体の中で最もブドウ糖を燃焼する部分なので朝ご飯は絶対食べたほうがいいとか、本の音読や単純計算(小学校2年生ぐらいの計算ドリルを想像してください)は脳の前頭前野の大部分を使うのでコツコツ続けるとものすごい効果があるとか。図らずも、僕が今中学生の家庭教師をしている中で、口を酸っぱくして言っている「国語の教科書の音読、小学生の計算ドリル」の有効性が科学的に証明されたので、非常に気分がいい。さあ気を良くしてどんどんやってくれたまえ。

 家庭教師では他に「英語まるおぼえ」も言っているのですがこれについては脳科学的な証明はありませんでした。ちょっとジャンルが違いますしね。まあそれはおいといて、これは是非読んでもらいたいと思います。大人ならすぐに読めます。


 さて、昨日見つけたニュースです。

(産経新聞インターネット版より引用はじめ)
 041124
「留学生以下」お寒い大学生
「日本語力」低下 4年制私大、国立さえ… 「留学生以下」お寒い大学生

「憂える」=「喜ぶ」!?/短大生35%中学生レベル
 大学生の「日本語力」が低下し、中学生レベルの国語力しかない学生が国立大で6%、四年制私立大で20%、短大では35%にのぼることが独立行政法人「メディア教育開発センター」(千葉市)の小野博教授(コミュニケーション科学)らの調査で分かった。「憂える」の意味を「喜ぶ」と思いこんでいる学生が多いなど、外国人留学生より劣る実態で、授業に支障が出るケースもあるという。同教授は「入学後の日本語のリメディアル(やり直し)教育が必要」と指摘する。
 調査は十六年度に入学した三十三大学・短大の学生約一万三千人を対象に、中一から高三相当の問題を盛り込んだテストを行い、十四年度に中高生に実施したテスト結果と照らし合わせてレベルを判定した。
 その結果、中学生レベルと判定された学生は、五年前に行われた調査と比較して、国立大が0・3%から6%、私立大が6・8%から20%、短大が18・7%から35%と、数年間で大きく増加していることが分かった。
 テストでは「憂える」の意味を問う設問で、「中学生レベル」と判定された学生の三人に二人が「うれしい」に音感が近いためか「喜ぶ」を選択。「大学生レベル」とされた学生の中でも正答率は50%にとどまり、文字通り“憂える”結果となった。
 「懐柔する」は「賄賂(わいろ)をもらう」を選ぶ学生が多く、「大学レベル」の学生でも正答率は46%にとどまった。
 このテストでは、外国人留学生でも大学院生はほぼ全員が「高校レベル」をクリアしており、「留学生より日本語ができない学生が、相当数いるのが実情」(小野教授)という。
 国語力が低下した原因として、小野教授は「少子化のため、自己推薦など試験が必要ない入学や全員入学・定員割れが増加したことが日本語力の低下を招いている」とし、「入学後の早い時期に授業が理解できる高校生レベルまで、日本語力を伸ばすことが必要」とし、リメディアル教育の必要性を提言。
 リメディアル教育では、今年行われたテストで千二百人中二百七十人が中学生レベルと判定された埼玉県の大学が三カ月間、週に一度、ひらがな文を漢字かな交じり文に直したり、四つの単文を並べかえて文章にする訓練を行った。その結果、一部のテストで平均点が65点から96点になるなど短期間の訓練で、理解力が大きく伸びることが確認された。
 小野教授は「学生はダメだといわれているが、実際に(対策を)やってみると案外、伸びるという結果」とし、大学側が積極的に学生の日本語訓練に乗り出す時期にきていると指摘している。
     ◇
 【問題の例】
 ■露骨に
(1)ためらいがちに     (0%)
(2)おおげさに    (83.3%)
〔3〕あらわに     (16.7%)
(4)下品に         (0%)
(5)ひそかに        (0%)
 ■憂える
(1)うとましく思う  (16.7%)
(2)たじろぐ        (0%)
(3)喜ぶ       (66.7%)
〔4〕心配する        (0%)
(5)進歩する     (16.7%)
 ■懐柔する
(1)賄賂をもらう   (50.0%)
(2)気持ちを落ち着ける(33.3%)
(3)優しくいたわる  (16.7%)
〔4〕手なずける       (0%)
(5)抱きしめる       (0%)
(カッコ内は中学生レベルと判定された学生が回答した割合、〔 〕数字が正解)
 *小数点計算で合計は必ずしも100にならない
(引用おわり)

 「憂える」「懐柔する」が正解者なしっていうのが悲しいですね。夏目漱石とか文豪の名著を読む(音読)機会がなくなると、日本語のすばらしい音感も身に付きませんね。斎藤孝さんはお子さんと二人で「坊ちゃん」を全部音読されたそうです。5時間かかったらしいですが、その充実感はすばらしいものがあったと本に書いてました。中学生を家庭教師していますが、学校でもほとんど生徒が本読みしたりする機会がないらしいです(英語の授業もプリント配って説明するだけ)。そりゃ頭に入らないですよね。フランスのアルフレッド・トマティス博士は「人間は自分が聞こえたことしかしゃべれない」ということを突き止めて語学学習にリスニング・コンプリヘンション(学校英語ではヒアリングと呼んでいる)は不可欠だと説きましたが、そもそも耳を使った学習をしないのに理解が進むわけがない。はやく文部省は気付きなさい。間違いを認めて早く修正しなさい。

 こんな状況でも文部省は責任とらなくていいんですよね。責任とりゃいいっていう話ではないけども、早く軌道修正しないと日本を担う人材がいなくなっちゃうよ。  
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2004年11月24日

『運命は「口ぐせ」で決まる』

5b0ec3e0.jpg『運命は「口ぐせ」で決まる』佐藤富雄・知的生きかた文庫 お勧め度★★★★
(要約はじめ)
 言葉はとてつもない力を持っている。常にポジティブな言葉を発している人にはポジティブな結果が出るという口ぐせ理論を著者の体験をもとに科学的に解き明かす。我々の脳の大脳辺縁系は主語を区別できないことがわかっており、ということは逆に言えば、人を褒めることは実は自分に一番ご利益があるのであり、逆に人の悪口を言うと自分に一番悪い結果が返ってくるということである。また脳は過去現在未来の区別もできないということを考えると、目標が実現されていることをイメージして「口ぐせ」にすれば、脳が勝手に実現に向けて自体を整えてくれるということにもなる。実際に著者はずっと「口ぐせ」を実践して70歳を過ぎてなお元気で非常に豊かな生活を送ることができている。逆境におかれても発想を転換して「これでいいんだ」とつぶやくこと。あとは脳が勝手に解決してくれる。
(要約おわり)

 なかなか納得してしまうところの多い1冊でした。ここ最近、僕も脳についての興味が旺盛でいろんな本を読んできましたが、大脳辺縁系の仕組みを利用した「口ぐせ」の効用を説いた本には初めて出会いました。こう書かれるとポジティブな考えを口に出すということの効用が非常に科学的なので、うさんくささはほとんど消えます。著者が億万長者でしかも健康で空き時間なく楽しみまくっているという現在の話もどうやら本当で、これは試してみる価値は十分にありそうです。

 最後の方で、潜在意識に働き掛けるには、お坊さんの読経は実に優れた合理的な方法であると書いていました。これは僧侶見習いの僕が毎日体験していますので、まさにそのとおりだと思います。まだ覚えたお経は少ないとはいえ、毎日同じお経を読んでいると様々な効用があります。長いお経を読むときは自然と腹式呼吸で読むことになりますし、何度も何度も繰り返して音読することはものすごく脳の働きに良い効果があると、いろんな本で証明されています(斎藤孝氏はじめ「音読」シリーズの著者など)。真面目なお坊さんは長生きな理由がわかりますね。

 お勧め度5でもいいかなと思いましたが、読後には何か無理やり200ページにしたという印象が残ったので(つまりあまり名文とは言えないと感じたということです)
4にしました。講演資料の書き下ろしという雰囲気の本ですから読みやすいことは読みやすいのですが。

 さて話を変えて、今日の気になるニュースを。

(引用はじめ) 
米のBSE感染疑い牛、確定検査で「シロ」 (読売新聞)
 【ワシントン=笹沢教一】米農務省は23日、BSE(牛海綿状脳症=狂牛病)の簡易検査で感染の疑いがあると18日に発表された牛について、アイオワ州の検査機関での確定検査で陰性と確認されたことを明らかにした。米国では昨年末に感染牛1頭が確認されている。

 今回の牛は、2度の簡易検査で陽性反応が出た。検査キットの感度が高いために擬陽性の反応が出やすいと見られている。キットの製造元は「2回の検査で陽性と出た場合のBSE確定率は95%以上」としている。米国は今年6月に短時間で結果の出る簡易検査を導入、直後に感染の疑いのある牛が2頭見つかったが、いずれも確定検査はシロだった。
(引用おわり)

 絶対ウソだね。ここまでして危ない牛肉を日本に輸出したいのかね。ようやく日本に向けて牛肉輸出が解禁になるっていうときに陽性反応が出たもんだから、ウソの報告を出してまで強引に進めようとしているのは明らかですね。だって確率95%以上ですよ!立て続けにどうして3頭もシロになるんだ?  
Posted by p-5796189 at 23:52Comments(0)TrackBack(0)

2004年11月23日

『知恵蔵2005』

90d98cdb.jpg『知恵蔵2005』朝日新聞社 お勧め度?

 日垣隆氏のメーリングリスト(有料)で紹介されていた現代用語事典です。買ったばっかりでまだ読んでいませんが、そもそもこういう事典は通して読むものでもないでしょう。調べ物したりするときや、こうやって文章を書くときにはかなり重宝するので、1冊あった方が便利ですね。会社勤めしているときは他のことをする時間があまりにも少なかったので買うのを敬遠していましたが、これまでの断片的な知識を整理して自分の考えをまとめるためのまとまった時間ができましたので、これからはバンバン使っていきます。
 毎年この時期になると、この他にも『現代用語の基礎知識』『イミダス』が出ますが、来年度版は特にこの2冊がダメダメ要素が多いとのことでした。早速参考にさせてもらって買ってきました。ちなみに日垣隆氏は『週刊エコノミスト』の巻頭コラム「敢闘言」を書いている人です。ビジネスマンなら何度かお目にかかったことはあるでしょう。

 話は変わりますが、イラク向け債権放棄についてのニュースは読みましたか?

(毎日新聞インターネット版より引用開始)
 イラク債務削減:日本案で妥協成立 具体策はなお不透明
 日米欧などの主要債権国会議(パリクラブ)が21日、イラクの対外債務の8割を3段階で削減することに合意したことで、イラク復興に向けた経済的な支援の枠組みがほぼ固まった。削減割合を巡り米英と独仏露の対立が続いていたが、日本政府が非公式に提示していた「8割削減」案が落としどころとなり、国際支援体制が維持された形になった。ただ、イラク国内は治安回復の見通しが立たない状態で、各国の経済支援の具体化は不透明なままだ。
 イラクの対外債務は04年末で約1200億ドル(遅延損害金含む、約12兆3700億円)と推定されている。今回の合意はパリクラブ参加17カ国と非参加の韓国、ブラジルが保有する債権389億ドルについて、(1)無条件に3割削減(2)国際通貨基金(IMF)策定の改革プラグラム実施を前提にさらに3割(3)同プログラムの実施状況をみながら2割削減−−を4年間かけて実施する。非参加国や民間の債権放棄の基準にもなり、来年1月以降、イラクと債権国との2国間協議で債務削減が確定していく。
 イラクの債務削減交渉では、イラク戦争を主導した米英がアフリカなど最貧国並みの最大95%の債権放棄を要求。独仏露はイラクが産油国であることを理由に条件付きで5割削減を主張して激しく対立していた。19日から開かれたパリクラブの会合も難航したが、日本が提示していた「8割削減」が調停案として急浮上。並行して開かれていた先進国と新興経済国の財務相・中央銀行総裁会議(G20)の際に米独両国が8割削減で合意し、最後まで難色を示していた露も妥協した。
 財務省によると、日本の債権額は04年末で73億ドル(遅延損害金含む)の見通し。9割が貿易保険、残り1割が国際協力銀行の円借款で、このうち貿易保険の分は独立行政法人化の過程で会計上の処理が済んでいる。国際協力銀の負担分も利益の範囲内で処理できるといい、細川興一財務事務次官は22日の会見で、「(イラク債務削減で)一般会計からの財政出動は必要ない」との見通しを示した。【後藤逸郎】
毎日新聞 2004年11月23日 19時21分
(引用終わり)

 これを読んでどう思われますか?
 簡単に書きますと、国連の反対を押し切ってイラク戦争を起こした国が、それまでイラクと正常な商取引をしていた日本などの債権を95%も差っ引けと平気な顔して言うわけですよ。しかも散々爆撃しておいた後に自国企業(チェーニー副大統領の息が掛かったハリバートン社など)に復興経済の受注を独占させるのですよ。これが自由の国のやることですかね?

 興味のある方はこのサイトもどうぞ。  
Posted by p-5796189 at 21:39Comments(0)TrackBack(0)

ローバーが中国企業の傘下に入るんですね

ローバー所有者としては複雑なニュースですね。

【ロンドン21日共同】英メディアによると、経営低迷を続ける英国の自動車メーカー、MGローバーは20日、中国の自動車大手、上海汽車が同社に10億ポンド(約1900億円)を出資することで両社が合意したことを明らかにした。事実上の買収とみられ、唯一残っていた英国資本主要自動車メーカーが外国資本傘下入りすることに、英国内では反発も生まれそうだ。
 計画によると、両社は中国政府の承認が得られれば、来年1月にも出資比率が上海汽車側70%、MGローバー側30%の新会社を設立。合計で年間100万台程度、うち英国では年間20万台の生産を目指す。
 MGローバーのスポークスマンは「両社にとって極めて好都合な合意」と述べた。
  
Posted by p-5796189 at 00:52Comments(0)TrackBack(0)

2004年11月22日

カックロ

 そろそろ仏教大学の宿題をやらないといかん。20個ほどの講座を受けていまして、だいたいがレポートと試験で単位をくれまして、最短2年でやっと行が受けられる資格を得ることになります。いまのところかなりの量の教科書が届いて本棚に飾ってあるだけの状態です。ぴらぴらっとめくったけど、どうも堅過ぎて、しかも若干うさんくささが混じっていて世俗の世界に引き戻されてしまいます。でもそろそろレポート1本目を出したいなあ。

 世俗の世界のことを書くと愚痴ばっかりになってしまうので、何か楽しい話題を探しましょう。今日は母が神戸大丸に行くのに着いていきまして(明石駅から行ったので電車で行きました)、その道中に『サンデー毎日』を買いました。何か活字を読まないと落ち着かないですね。じゃあ仏教書読めよと言われるとしょんぼりしちゃうのですが、まあこらえてください。チェ・ジウとかいう韓国の女優さんが表紙でした。どこかで見た顔だなあと思ってたら冬ソナのヒロインなんだってねえ。知らないにも程がありますな。やばいなオレ。
 さて、数学科出身の僕が昔ハマッた「カックロ」というパズルがありまして、それがサンデー毎日に載っているので買ったわけです(週刊誌か月刊誌のパズル雑誌にも載ってますがさすがの僕でもそれは買いません)。どんなのかって聞かれると答えにくいのでネットで調べてみてください。今、いろんな脳科学者が単純計算の効用を説いていますが、このパズルは単純なようでかなり難しいです。でもいくつか説いているとコツはわかります。これをやり始めると時間経つのも忘れるんですねえ。頭の体操にもってこいですし、小学生にも十分理解できるので家族でやってみるのもお勧めです。僕の場合は頭が疲れたら気分転換によくやります。ハマりすぎて余計に疲れることもありますが。  
Posted by p-5796189 at 23:46Comments(0)TrackBack(0)