2004年09月30日

山崎元・田中康夫を評価する

 今日は弟に頼まれて三宮に。明日から韓国に行くらしいのだが、どうやらチケットがぎりぎりで、仕事のなかった僕に業者まで取りに行ってくれというわけ。神戸は久しぶりだったね。

 行き帰りの電車では『山崎元のオトナのマネー運用塾』ダイヤモンド社をパラパラ読み。これは以前銀行に勤めていたときに毎週回覧されていた「週間ダイヤモンド」の人気コラムを集めたもので、僕も毎週楽しみにしていたものだ。いま少年マガジンでなんとかっていう名前の株の漫画が始まっているが、そういうシロウトは相手にしない、分別あるオトナのための投資術を述べたものだ。著者は過去16回もの転職を経験した人で、人脈・経験ともに比類なき強者である。いかに証券会社や投資信託会社が顧客(本書ではカモと書いている)をしらずしらず騙しているかとか、勉強不足のマスコミ記者への苦言などを辛辣に書いてある。まあこれ以上書くと今度書評が書けないのでこのぐらいにしておくが、暴露系の怖い日記が続いたので頭を冷やそうと思って読んだ本だということがわかってもらえるとそれで僕としては満足なのである。

 週間ダイヤモンドと言えば、あのモブ・ノリオ氏を大絶賛したスキゾ・パラノの浅田彰と、長野県知事にして神戸空港反対運動の旗手、「なんクリ」の田中康夫の対談「憂国呆談」が毎月掲載されるので、これも図書館に行ったり本屋で立ち読みしたりしてチェックしている。興味のある人は、続・憂国呆談でバックナンバーが読めるので行ってみてください。

 なぜ「続」かというと、オリジナルもいろんな雑誌に掲載されて一冊の単行本が既に出ているから。この単行本は僕が鹿児島にいるころに発刊されたもので、当時はかなり斬新な気持ちで読んだものだ。このときに始めて浅田彰という人を知ったのも思い出す。そう。僕は大学時代は田中康夫にもはまっていた。ついに休刊となった月刊誌『噂の真相』通称ウワシンで「ペログリ日記」を書いていた頃からのファンで、「神戸震災日記」とかも読んだものだ。彼が長野県知事に当選したときは心の底から喜んだし、長野県に住んでみたいとも本気で思った。就任当時は日本で一番エネルギーが低いだの気持ち悪いだのと言われていたのに、どうですか!ものすごい経済効果を挙げてるじゃないですか。ここは僕の読み勝ち。田中康夫は民主党員みたいなエセリベラルな人間ではない。それは「神戸震災日記」を読めばわかる。大概の有名人は売名行為で援助したりチャリティしたりしていたが、彼らが去った後も残って市民を励ましてくれていたのが田中康夫だったのだ。当然神戸市民ではないが。「オン・ハッピネス」という彼の小説の舞台が神戸だったこともあって愛着があったらしいが、バカ行政を相手取った神戸空港反対署名運動でも市民運動家としての一面をのぞかせていたのを思い出す。僕はこれからもずっと彼を応援する。ちなみに副島さんは彼のことは嫌いみたい。

 神戸でまたしっかり本を買ってきた。読書日記に次々とアップするつもりだ。文章を書くのはものすごくしんどいけれど、それにもまして頭をフル回転させるのでものすごく生産性が高い。これからも続けていこうと思う。  

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2004年09月29日

新説新生銀行の巻

f213036f.jpg『ハゲタカが嗤った日』浜田和幸・集英社インターナショナル お勧め度★★★★
(要約始め)
 バブル後、連日マスコミによってバブルの犯人扱いされた元イ・アイ・イ社長の高橋治則。表向きは当社の経営再建を支援する姿勢を見せ、その裏で資産乗っ取りを企てていた旧長銀。アメリカの裁判制度で認められている「ディスカバリー」制度により当時の長銀の内部資料が表に出たことによって、これまで一方的な社会的制裁を受けていた高橋に対する見方が一変する。常識を疑うような長銀の陰謀の詳細がなんとも無様に公開される。また、8兆円もの税金をつぎ込んで国有化した揚げ句たった10億円で外資に売られて再建を果たした新生銀行の誕生に到る国会議員のやりとりとその幼稚さが示すものは、やはり日本はアメリカに赤児同然に扱われていたという情けない姿であった。だが、自らの汚名を晴らすべく高橋の執念がついに長銀のみならず、上場を間近に控えた新生銀行およびハゲタカファンド・リップルウッドホールディングスを震え上がらせた!上場どころか再び新生銀行が破綻するというシナリオが実現間近であったのだ。だがしかしここからいろんな圧力がかかり、思わぬ展開を見せる。リップルウッド社長のティモシー・コリンズやその指南役バーノン・ジョーダン、その背後にあるビルダーバーグ会議・・・様々なハゲタカ達が織りなす詐欺と欺瞞の世界。著者はただ一人、高橋本人とのインタビューを敢行し、今までの報道のされ方とは全く異なる高橋の人物像を描いてみせた。
(要約終わり)

 北海道に行き来する飛行機で読んでしまった。ちょうど僕が金融機関に入社する前年にいわゆる金融危機が起こり長銀がおかしくなったり山一が潰れたりした。よくそんなときに金融機関に就職する気になったもんだとも思うが、僕が勤めた会社はすでにその前の住専問題で一番の渦中にいたので、そのほとぼりが冷めた当時はそんなに無茶苦茶やばい会社ではなかったのだ。本書はその長銀がイ・アイ・イ社に対して行ってきた陰謀の数々をまず紹介している。一般に銀行員ってのはこういうやばいやりとりもきっちり記録に残している。僕も現役時代よくこういう記録を書いたもんだ。でもこの件のようにあまりにも露骨にイ社の資産を乗っ取ろうという計画を記録していて、さらにそれが新生銀行の倉庫で見つかるという大失態にはさすがの僕も引いてしまった。ちゃんとシュレッダーしとけよと。まあこれがサイパンでの訴訟、つまりアメリカ国内での訴訟にからんで「ディスカバリー」制度によって明るみに出ることになったわけで、日本の法律ではどうがんばっても出てこないシロモノなのだ。これが上場間近の新生銀行を直撃する。上場目論見書に現在係争中の裁判はないとかいろいろウソを書いていたのに加えて、新生銀行が抱えるイ社の裁判の行方次第では、損害賠償金の異常な金額が普通のアメリカでの裁判ということもあり、賠償支払いで一気に新生銀行の自己資本を吹き飛ばしてしまう可能性が出てきた。お!ハゲタカを追い込んでる!すごいぜ。でも結局は高橋も和解に応じたので最終的にはそのシナリオはオジャンになった。
 
 僕は高橋治則という人間を見直した。というよりもまたしてもマスコミの罠に僕自身が引っ掛かっていたことを再度認識させられた。マスコミはバブルの戦犯を誰かに押し付けて総括したかっただけなのだ。バブルの時は財テクしない人間は人ではないみたいに散々人々をあおっておいたくせに。これだけ悪事をやらかした旧長銀の経営者は世間から見れば銀行員という一番信頼できる(注:当時は)人間であり、バンバン不動産投資に精を出していた高橋を悪者にすればすんなりバブルパージは終了すると見込んだのであろう。国民はそれに皆だまされてしまった。でも、この内部文書が表沙汰になった以上、本当のバブルの総括をきっちりと責任を感じているマスコミの手でやってほしいものだ。彼らはいっつも逃げるから。

 ハゲタカとは良く名付けたものだ。潰れた長銀のうま味をどこからかビルダーバーグ会議が嗅ぎつけてコリンズに指令を出していたらしい。瑕疵担保条項を付けて、国民にほとんどの負担をさせておいて、強引に貸し剥がしをして、そこまでやったら誰でも健全な銀行にできるっちゅうねん。それを日本の税金がかからないオランダにファンドを置くという裏技を使って(以前『老人税』
で副島さんが暴露していた手法)利益はそっくりそのまま海外に出ていったという、ホンマに情けないやられ方でハゲタカはおいしいところを全て持っていった。あっぱれ。完敗だ。ちくしょう。

 本書には国会での与野党のやりとりも克明に記録されてある。それを読んで強く感じたのは、やっぱり民主党の若手って勉強してるなあってこと。こうなることを予期してかなり込み入ったことを当時のバカ大臣(上から読んでも下から読んでも「おちみちお」とか言って演説して落選した人)に質問している。でもバカだから意味わかっていないの。竹中大臣にしてもアメリカの手先丸出しの解答しかしていない。嫌いな政治家もいるけど、まあこれからはやっぱり民主党ですね。自民党のおじいちゃん達はハゲタカに出すエサはもっててもやっつける智慧がないから。でもこのままアメリカに搾取されても良いって考える人はどうぞ自民党に清き一票を入れてやってください。

 日本人は本当に忘れやすい民族だ。8兆円もつぎ込んで瑕疵担保条項でさらに税金がつぎ込まれて、貸し剥がしでたくさんの会社が倒産して、揚げ句の果てにぬれ手に粟の上場利益に税金もかけられない。こんなお粗末な金融行政をしていて誰も文句言わないし、当時の責任者をパージする機会すらもたない。そりゃ今は郵政民営化の方が大事な話題だろうけど、このハゲタカのやり方を総括しておかないと同じような方法で郵貯までもハゲタカに乗っ取られるんだよと言っておきたい。副島さんの研究では竹中大臣はポール・ボルカーと繋がっていて、国民のお金をせっせと外資に差し出す準備を進めている。それでしこたまおいしい汁を吸われた後に、日本のお札は価値がなくなって、ハイパーインフレ、預金封鎖、新円切り替えと、またしても戦後と同じ過ちを繰り返すんだろう。そうなってからでは遅いけど、まあもう止められない動きでしょう。僕はお金あんまり持っていないので全く心配はないけど。

 ちょっと今日は長くなった。金融の話だとついついいろいろ書いてしまう。やっぱり僕は金融業界が体質に合っていたようだ。とは言ってもこれからは、そういう娑婆を捨てた出家の道を進む。あんまりお金の話を追っかけても偉くはなれない世界だ。でももうちょっと前向きな出家ってないものだろうか。まあ出家後も寺の財産管理なんかは必要にはなってくるんだが、果たしてそれで煩悩がないと言えるのだろうか。いやあまったく不毛な哲学論争だ。  
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2004年09月28日

北海道に来ています。

 今日は北の国から。昨日から北海道にやってきた。僕にとっては初めての北海道である。HISの割引で2泊3日レンタカー付で38,000円の価格破壊を実現。まあホテルはそれなりのもんだったけど、一人旅の部屋だしまったく気に留めないので問題なし。レンタカーも1,300ccで充分。美瑛・富良野を回って帰ってきてから満タンにしても2,800円で済んだ。折りしもニューヨーク市場で1バレル50ドル越えを果たした原油市場もなんのそのである。ランドローバーだったら・・・と考えるとぞっとするのでやめておく。

 いい天気だ。伊丹空港に行くまではえらいじゃじゃぶりだった割にはこっちは快晴。JR札幌駅は駅前の感じが京都駅に似ている。北海道大学を回りクラーク博士の胸像に敬礼。その後は旧県庁、時計台とか歴史の古い建物を回る。そうこうしているうちに待ち合わせの時間。ちなみに昨日の話ね。

 後輩(前の会社で同じ鹿児島支店勤務。転勤で今は札幌支店にいる)夫婦と飲み会。奥さんの方も同じ鹿児島支店の同期同士。僕が山形に異動してから付き合い始めたらしい。どうりで当時は気づかなかったわけだ。まああれから2年しかたっていないのでお互い変わりようもなく、飲み会は旧交を温めたという感じで終了。奥さんがいるので当然その後はすすきのには行かず。

 今日は朝っぱらから車で美瑛・富良野を回ってきた。二日酔いを押して。北海道は広いね。スピード違反の取締りでしょっちゅうレンタカーの県外客が捕まるとの情報を重視して110キロぐらいで快走。美瑛についたら自転車を借りて1時間半ぐるぐる回った。セブンスターの木とかケンとメリーの木(知る人ぞ知るケンメリスカイラインのあれだ)たかいろんなモチーフのポプラの木を写真に収めて富良野へ。富良野ではご当地カレーを頬張り、ロープウェーで山頂へ。40分ほど登山。誰もいない。おいおい。遭難したら死ぬぞ。下山してJRふらの駅前の「北の国から」博物館へ。
 ここは隣にある農協の倉庫を借りて展示しているらしい。なかなか地元農協も味なことをすると一人ほくそえみながら中へ。「北の国から」は正直、見たことがない。はっはっは。じゃあなんで行くねん。まあええやん。時間があったんやし。でも見てたら倉本聡の世界の深さに感動。「学校」シリーズしか知らなかった僕としては、ちょっぴり心を動かされた。ちなみに「学校」シリーズも、不登校の主人公が一人でヒッチハイクして屋久島の杉を見に行くというという犬靴見たことがない。なぜ見たのかというと、主題歌をゆずが歌っているから。「シャララン」という曲。僕はこの歌が大好き。鹿児島にいたときの恋愛を思い出す。ゆずについてはまた別の機会に。あんまり難しい本の話してても続かないので。

 そんなわけで車車車の一日を終えて再び札幌へ帰ってきた次第。当初予定していた僕の同期との飲み会が、先方の都合で突然キャンセル(彼は僕が山形でしていたのと同じ仕事をしていて、農協の指導でいっぱいいっぱいなんだ)。農協指導なんてヒエラルキーで言うと簡単に聞こえるけど、実際は農協が株主なんだ。株主に向かって指導するっていうのがそもそもJAグループの難しさ。本部からは無茶苦茶な通達が来て、あんまりやりすぎて本部にその株主から苦情が行って政治家を巻き込んで手打ちが行われるっていうのも日常茶飯事。よくこんな仕事をしていたなあとぼんやり思い出す。同期は札幌に二人いたのだが、もう一人は痔で入院中とのこと。おいおい。

 こんなわけでどうやら二日目も終わりそうだ。明日は帰らないといかん。犬の散歩があるので夕方までには帰らないと・・・。このまま果てしない大空と広い大地のその中で(by千春)暮らすべくトンズラしようかとも思ったが今は思いとどまった。でも明日になったらわからんよ。  
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2004年09月25日

憲法って本当に大切なものですよね

e9d82de1.jpg『日本国憲法の問題点』小室直樹・集英社インターナショナル お勧め度★★★★★
(要約はじめ)
 いま日本で議論されている日本国憲法の問題点は的外れである。憲法問題イーコール9条問題という論調が主になっているが、そもそも9条でいう「戦争」の意味合いは成立時点から二転三転しており、慣習法であるとみなしたときの憲法9条は国際法との共通点である事情変更の原則に従って、死文化されているとみなされるべきである。死人にものを尋ねるようなこれ以上の不毛な議論は避け、もっと大事な問題を凝視しなければならない。それは、日本政府が堂々と犯している憲法13条違反についてである。13条こそはデモクラシーの急所であり、これが破られているという現状を認識していない国民は目を覚まし、売国政治家・官僚どもを弾劾するのが筋である。また憲法がその機能すべき土壌をはぐくむための国民の教育問題について、さらに、憲法を骨抜きにしている官僚制度ひいてはお受験に代表される学歴偏重主義の問題についても大いに議論されなければならない。特に、日本の官僚制度は中国の科挙制度の轍を踏んでおり、憲法殺しの直接の下手人となっている現状を憂う。
(要約おわり)

 小室直樹も大学時代によく読んだものだ。というのも著者は僕と同じく大学の理学部数学科の学位をとっていることもありとにかく論理構成が抜群にすばらしい。大学で学ぶ数学というのはある意味で哲学であり、自然科学の根本をなす論理学そのものなのである。もっとも著者はその後経済学のエキスパートとなりアメリカで研究生活を送った後、東大で政治学、法学の博士となるなど、知識教養の塊みたいな人であるので、僕なんかとは比べられるような御仁ではない。まあここまで書いてみたが共通点は数学を学んだというぐらいしかないのだが、とにかく好きなのである。偶然だが、副島隆彦が尊敬する数少ない日本人知識人の一人である。

 前日の日記で僕は日本再軍備論者だと述べた。本書がその裏づけになる、いや結果的にそうなったと言うべきか。著者は要約にあるとおり、憲法問題を論じるには、死文の9条なんかは放っておいて13条をこそしっかり考えるべきだと説く。13条「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」これである。憲法はそもそも国家を縛るための規則であり、その中で自国の国民を守れと言われているわけだ。それを実行するのが行政・立法であり、実行しない行政府は当然憲法違反で罰せられるべきものである。著者はこの13条に則って自衛権を確立して自衛のための軍隊をもつことは可能であると説く。まさにそのとおりでしょう。9条にこだわるのならば、はっきりと「侵略のための」軍隊はもてないことになっているので、解釈論議以前の問題である。もてないのである。でも「自衛のための」軍隊をもてないとは書いていない。これは13条から帰結されるべきもので、国民を外敵から守るための軍隊すらもてないなどということではない。だって守れない国家は憲法違反だし、国民だって徒手空拳で自分の権利を守り通すには限界がある。「話せばわかる」なんてことはありえないと『バカの壁』で養老先生が説いていらっしゃるではないか。

 そのために軍備をする。これはアメリカを狙いませんという念書さえ入れておけば(アメリカも自国に届く核兵器以外なら持ってもいいんじゃないかという姿勢だと聞く)議論のスタート地点には立てる。でも今は中国を刺激しすぎるのはよくないから水面下ですすめて、中国が何か国際的に事件を起こしてしまったときを見計らって一気に憲法改正の手続きとプロパガンダを展開するのだ(まああれだけ急激に経済成長していたら何かよくないことも起こるでしょう)。アメリカのように謀略で世論を誘導するというのは武士道の国ニッポンに住む人間としては是認しがたいし、第一謀略してもドジな国民性なのでどっかから秘密を握られてうまくいかないだろう。だからじっとその時を待つのだ。
 あっ。でも前提として、先の大戦で日本がアジア諸国に対してやってきた非人道的なルール違反については外務省からきっちり謝罪すべきだと思うよ。断っておくと、この点において渡部昇一氏とかの日本民族優秀論者とは考えが違う。やられた側は簡単には忘れられないんだから。

 では日本も韓国のように兵役を義務付けるべきか?結論から言って僕はそうすべきだと思う。武士道の精神を根付かせるには、日教組に支配されて結果平等こそがデモクラシーだと勘違いしていらっしゃる学校教育では無理だし、人が死ぬということを考えさせて初めて人間愛を認識できると僕は考えるからだ。でも中途半端ではいけない。韓国の俳優とかスポーツ選手が国民の義務である兵役逃れのスキャンダルの的になっている。容疑者を逮捕した韓国政府の行為は間違っていないし、堂々と議論することを避けて薬物で兵役を逃れようとする根性こそが問題なんでしょう。だから免除規定は一切設けない。もちろん重度の障害者など極端な例は除くが。当然女性も含む。別に最前線に行くだけが防衛ではない。体力に劣る男性・女性は補給活動とかに役立てるはずだ。男女同権。これは暴論ではないと自分では思うのだがどうでしょう。マイケル・ムーアの映画『華氏911』の最後にあったように、多数いる国会議員のうちたった一人しか息子を軍隊に入れていないようなことでは、国民はアホらしくなって一所懸命に守ろうなんて気にはならないでしょう。

 話を官僚批判に変える。憲法29条「財産権は、これを侵してはならない」についても筆者は触れている。平成2年の大蔵省(当時)のいわゆる総量規制によってバブルは破裂して国民の財産が約1300兆円(すみません詳しい数字は忘れましたが今の国民個人資産とほぼ同額でした)消えてなくなったわけだが、これをもって、大蔵省の役人が国民の財産権を侵したというわけである。この指摘は僕にとってはちょっと新鮮だった。なるほど。憲法に照らして言うと確かにそうだな。市場のことは市場にまかせるというのが資本主義の原則なのだから、役人風情が市場をコントロールしようとしたことがやっぱり間違いだったわけだ。副島隆彦の『堕ちよ!日本経済』とかにもあったように、市場をコントロールできると考える輩はどこかでしっぺ返しを食らうことになる。ジョージ・ソロスがいい例だ。そうやって国民の財産を急減させたのにもかかわらず、この役人は一切おとがめなし(経済はゼロサムなのでどこかがプラスになっているはず。浅井隆は当時のソロモン・ブラザーズがしかけたという結論を出している。いずれにしてもアメリカに渡ったことは間違いない)。しかも東京証券取引所の社長にまで天下りしていたというから厚顔無恥もいいとこだ。そう、土田正顕だ!気をつけろ!

 本当に勉強すればするほどこの国のいい加減さにあきれてしまう。僕は文字通り寺子屋を作って、近所の子供たちにしっかりとこういうことを教えていきたいと思う。もちろん子供たちだけでなくて、大人もだ。ワイドショーなんかつまらんし坊主の話でも聞きにいこかみたいなノリできてもらえるような寺子屋を開きたいなあと密かに構想を練っているところだ。  
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2004年09月24日

本屋に行ってきました

 久しぶりに大型書店に足を運んだ。これまでの本の選定は、著者で検索して紀伊国屋ブックウェブで注文!というスタイルが定番だったのだが(ちなみにアマゾンはあまり好きではない)、これではさすがに特定の分野しかカバーできないし、思想も偏ってしまう怖れがある。これからの日本人はバランス感覚が全てだと考える僕なので、あまりに偏ってしまってはいけないのである。

 最近は副島さんのような保守系の言論人の著作を多読してきたわけだが、僕は実を言うと学生時代から思想の根本はリベラルである。とはいっても天皇制は支持するわ再軍備を支持するわで、いわゆる左翼一辺倒ではない。おバカな権力者を憎むまっとうな市民派きどりなのだ。一番時間があった大学四年生のころは「週間金曜日」「噂の真相」を愛読していたが、さすがに今はもう読んでいない。でも佐高信(副島さんは批判するが)や田中康夫、内橋克人、城山三郎なんかは好きで今でも新刊が出れば読んでいるし、とりわけお気に入りなのが広瀬隆だ。

 広瀬の新刊 『日本のゆくえ アジアのゆくえ』日本実業出版社を買った。まだ読んでいないが、これまでに買った本(まだまだたくさんある・・・)を読んでから読むべきか、すぐに読むべきかちょっと迷っている。まあこんなこと迷うような話ではないのだが、ちょっとお寺の方が忙しくなりそうなので今までみたいに読書の時間がいっぱいとれなくなるかもしれないことを考えると、やっぱり先に読んでおきたいとも思う。1年に1冊出ればよいぐらいの著者の力作だし、内容はいつもセンセーショナル(副島隆彦も彼の調査力は認めているようだ)だし、あの一途さが大好きだ。それにしても『東京に原発を!』のころはのりにのっていたな・・・

 というわけで、今日も書評はなし。今は『日本国憲法の問題点』小室直樹を読んでいるところ。まあ読みやすいので明日の日記には間に合うだろう。若干短絡的な論理展開が目に付くが、まあ一般読者に向けてできるだけ簡単に書いている本なので、仕方がないかとも思う。いずれにしても再発見が多い書だ。どういう評価を展開しようか今から楽しみだ。  
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2004年09月22日

これからの医療は金持ちだけのものになる

a378017e.jpg『患者見殺し 医療改革のペテン』崎谷博征・光文社ペーパーバックス お勧め度★★★★★
(要旨)
 聖域なき構造改革?ウソ言うな。厚生官僚と政治家の失政を国民につけ回す狡猾なやりかた(医療費高騰、中小企業サラリーマンの保険負担増、市町村合併がもたらす負担増の不平等)の実態をまず認識しなければならない。世界に誇れる国民皆保険制度をもぶっ壊して、アメリカの圧力で市場主義のジャングルに国民を放り込もうとしている小泉改革!なぜオリックスがセコムがアメリカの受け皿となって改革(改悪)を進めようとしているのか?人の命をも投機の対象にする悪しき制度の導入を政府は阻止すべきである。第一アメリカで株式会社の病院でうまくいっているところはない。訴訟社会で何から何まで裁判づくし。今でさえ医療以外のペーパーワークに追われる日本の医療現場に訴訟の嵐が舞い込むなんて医療どころではなくなる。金もうけだけが目的の医療改革は断固拒否すべきだ。最後に、高齢化社会が財政破綻を招くとかいろんな報道がされているが冷静に考えればウソだ。官僚の情報操作にだまされるな!
(要旨おわり)

 昨日書いた、非常に勇気ある告発本である。現場にいる医者は出世とかを気にするとなかなかここまで書けない。第一そんな時間はないだろう。だから本書は医者になろうとする人たちにまず読んでもらいたい。こういう現状を認識したうえで、自分が目指す医療とは何かを考えるべきだと思う。僕自身は、すでにあちこちに張り巡らされたアメリカのトラップに太刀打ちできるだけの情熱はとてもじゃないが保っていけないだろうと判断した(繰り返し言うが、僕はアメリカの外圧自体を憎んでいるのではない。彼らは国益のためにこういうことまでするというだけだ。問題なのは国民に何も知らされずに改革という名の売国行為が行われていることだ)。

 そもそもアメリカが自国で失敗した、病院の株式会社化をなぜ日本でやろうとしているのか?本書にその答えが書いてある。クールに言うと、貧乏人の命よりも金もうけが優先されるからだ。そういう政策決定権を握っているのが市場主義万歳のハイエナ達だから、日本に圧力かまして簡単に実現されようとしているのだ。本書によると医療は100兆円市場と言われているので、そりゃあアメリカの実業家達も血眼になって日本に鎖国を解くことを要求する。ただそれだけのことだ。

 本書では製薬会社だけが儲かっている日本の医療のいびつな構造も暴露しているし、オリックスやセコムといったアメリカの水先案内人(本書)が規制緩和の大義のもとで我田引水を策謀していることもぶっちゃけてある。病気という人の弱みを金に変えようとするビジネスを考えているこれらの企業を僕はもう信用しないことにした。医療の世界で今一番必要なのは市場開放ではなくて、医局制度の是正とか、医療スタッフの充実とか、赤字天下り先独立行政法人を潰すとか、内政の対応が先決である。アメリカを儲けさせるために何でもかんでも言うことを聞けばいいってもんではない。属国日本としては言いにくいという意見もあろうが、今回は人の命がかかっているのだ。すでにアメリカでは無保険者がかなりの割合を占めていて(公的保険にもはいれないのだ)盲腸の手術が244万円かかるらしい。こんな制度を見習ってどうするんだ?となんで政治家は誰も言わないのか?

 エドワーズというケリー民主党陣営の副大統領候補の話もある。彼は弁護士として、医療訴訟頻発のアメリカ国内で弁護士利益を守るために様々な場面で暗躍してきた実績をもつ。日本では考えられない数の医療訴訟があり、それに勝った弁護士は賠償額の40%もの利益を得るらしい。その金が民主党への献金となって、いまやものすごい政治力をもっているということだ。やれやれ。ブッシュ共和党の方がやっぱりマシかな・・・。

 著者は今後の医学が進む道として東洋医学や民間療法の格上げを主張する。つまり自然治癒力をもっと重視すべきだと本書の最後に主張しているのだ。僕自身はその考えにほぼ100%同調するのだが、権威主義のお堅い医者達が認める話ではない。でも裏話があって、実は日本の伝統的な民間療法を積極的に研究しているのがアメリカとかの諸外国らしい。日本はやっぱり外国コンプレックスの塊で、足下の金貨が全く見えていないみたいだ。本当に情けない国だな。

 僕としては東洋医学にかけてみようかとかも迷いの中にはあったが、日本がアメリカと戦えるだけの準備が全くできていない現状では、どうせアメリカの圧力でつぶされるのがオチだろうから、やめた。すべてはそこなのだ。アメリカに面従腹背で隠れて核武装をして軍隊を育てて、交渉術に長けたビジネスマンを育ててやっとアメリカと対峙できる。いまのままでは良いものは全て横取りされる(NTTの光ファイバーがいい例だ)。このおかしな世の中をちょっとでも良くするために智慧をつけていかねばならない。  
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2004年09月21日

がんばるぞ!仏教

0a9d4560.dat『がんばれ!仏教』上田紀行・NHK出版 お勧め度★★★
 この本にかなり刺激を受けた。でも一般の人にお勧めするのも変なのでこのレーティングとした。自分の近辺に起きた一代転換をつづり、この本をとりあげた理由を述べる。

 先日、ちょっとしたことから、医者への道を閉ざすことにした。簡単にあきらめるなと怒られるかもしれないが、合理的に考えるとこういう結論にならざるを得なかった。

 理由の第一は、恥ずかしい話だが、医者になりたくなくなったのである。そもそも医者を目指すきっかけも不純なもので、悪く言えばそそのかされたからであり、そもそも自分自身医者になりたいわけではなかった。会社では責任重大な仕事を任されていたこともあって、退職には非常に不満だったが、家族の説得とかもあって、しぶしぶ退職の道を選んだのだ。おじいちゃんを始め、僕のご先祖様の業を消すには医者になるしかないとか言われて、はあそんなもんかと思って勉強したが、所詮は3ヶ月で国公立の医学部には入学できるはずもなかった。今年度になって時間ができたので、医療関係の本をよく読むようになり(今にして思えば去年の時点で読んでおくべきだったかもしれない)ますます医者の世界で自分の生計を立てることに疑問を覚え始めた。でも皆が期待するのでしぶしぶ受験勉強を続けていたし、最近の模試では第一志望の大学が150人中4位という好成績まで出ていた。そうこうしてもやもや感が消えないまま、転換の日を迎えた。結局、今後も医者になりたいという気持ちは出てこないだろうと結論付けた。

 理由の第二は、実家の寺、仏教に興味をもったからだ。この本を読んだ影響をもろに受けたとも言える。確かに、本書で述べられている活動的な僧侶は全体から見るとごくごくわずかだ。しかも何かやろうとして失敗した例なんてもっともっとあるに違いない。でも、やっぱり今の仏教は堕落しており、それに危機感をもっている人は少なくないということは言えるだろう。ウチの寺は田舎にあるので、ここで述べられているような派手なことは却ってする必要はないのだが、「葬式仏教」と揶揄されて坊主丸もうけの現状が今後もずっと続くとは思えないし、僕自身そんなことを続けるつもりはない。本書で紹介されたような活動を参考にしながら、わが町にあったコミュニティを作っていきたい。

 医者になりたくなくなったら、そりゃがんばって合格しようなんて気持ちもどっかに行ってしまう。決定的な影響を与えたのが『患者見殺し 医療改革のペテン』という本。詳しくは明日にでも書くが、ここからはいつもの論調だ・・・、病院の株式会社化、混合医療の解禁なんていう外圧に屈して、世界に誇るべき現在の日本の医療水準が明らかに劣化させられようとしている状況をストップさせることがどうやらできなさそうだからだ。アメリカでさえうまくいっていない株式会社化を無理やり日本で進めて医療費を上げて外資に貢ぎましょうと、またそのおこぼれをオリックスとかセコムというような売国企業がもらいましょうなんていう方向づけがすでに決定されている。もうあほらしくて患者のための医療なんてやってられない。真面目で患者思いの医者ほどバカを見る世界が着実にせまりつつある。同じことを何度も書くが、マスコミはやたらとアメリカの肩を持って国民をミスリードするし、政治家は相変わらず事実を公表しないし、こんな状況で一人正論を吐き続けても潰されるか無視されて終わるだけだ。本当にあほらしくなった。それでも医者になりたいという方は、『患者見殺し 医療改革のペテン』を読んで理解したうえで目指して欲しい。明日はこの本について書く。  
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2004年09月20日

ちょっと考えればわかることじゃないの?

7503e61f.dat『人類の月面着陸は無かったろう論』副島隆彦・徳間書店 お勧め度★★★
 全く宇宙物理学に無知な著者がNASAを筆頭とする頭脳は集団にケンカを売ったのが本書。僕自身は理系なのだが、これまでアメリカがやってきたなんでもありのプロパガンダを思い出すと、まずやっぱり疑ってみないといけない。でも難しい数式とか出てこないので、しかも副島隆彦と「と学会」関係者のメールの応酬とかがバンバン載っているので、一気に読んでしまえる本だ。

 例によってアマゾンでの評判だが、副島隆彦はあちこちで傲慢だとかなんだとか言われているのである程度しょうがないんだけど、アポロは絶対月に行ってるにきまってるよという、自分で確かめていないけど教科書に載ってたから正しいんだろうと考えている人がやっぱり多いんだね。でもそういっている割に証拠といわれているものが全くのヤラセだったりするわけなんだが。確かに行っていないことの証明って難しい。数学の問題を解くときの定石では、背理法、つまり行ったと仮定しておいて矛盾を導き出すという方法があるが、この背理法以外では証明しにくいだろう。

 そこで著者も仮に月に人が行っていたとして、どうやって着地するの?(地球みたいに空気はないんだから逆噴射なんて効果ないもんね)とか、ヴァン・アレン帯っていう放射能のものすごい宇宙空間をどうやって生身の人間が抜けることができるの?とか。結構ちょっと考えたら、そうやね、なんでやろう?と考え込んでしまう事実がやたら多いし、はっきりした証拠は全く見つかっていない。どっちかと言うと、もうソ連はつぶれたんだから今更いいやんって感じなのがアメリカの偉いさんの反応。やっぱりプロパガンダにすぎないんじゃん・・・。

 副島隆彦のホームページの掲示板で、専門外のことに口出ししないほうが良いという意見が出されているけど、大きな目でみたら専門外ではない。だってアメリカの対ソ連に対して行ったものすごいプロパガンダと報道規制の話なんだから。国家戦略家の著者の出番でしょう。うそ八百で日本の技術力をそぐことに心血注いでいる連中はあちこちにいるんだから、見過ごすわけにはいかない。

 昨日のNTTの本にも書いていたけど、アメリカはやっぱり日本の技術力を心底恐れているようだ。自分らは四半期(3ヶ月)ごとの決算でクビになったりするのがあたりまえの世界に生きているから長期的な投資ができない、つまり革新的な技術誕生の可能性が低下しているのに、日本はあいかわらずのんびりとべったりと長期投資をして燃料電池とかものすごい発明をしまくっている、それが彼らの危機感をくすぐってしまうわけだ。でも日本は戦略がない国家だから、彼らのちょっとした意地悪で搾取されちゃうんだね。今のままこういう国際的な八百長をほったらかしにしておくと、あれやこれやでいつまでたっても日本の富はずる賢い海外の金持ちの懐に逃げていくんだよということを早くみんな気づかないといけない。そういう意味では、月に行ったかどうかを問題とせずに、アメリカの世論誘導の手法とかそういう戦略を日本も学んでいくための良い機会になるんじゃないかなと思ったりもする。

 ちょっと蛇足だけど、僕は決してアメリカが憎くて、日本は早く属国であることをやめてしまえと言っているわけではない。そんなことしたら今の状況やったら、あっという間にアメリカにひっくり返されるだけだから。僕が言いたいのは、そういうことを本当にわかって政治をしているのか?またそういうことを許して政治家に国の行く末を任せているのか?ということ。大事な情報を全部隠されて、耳に良い言葉だけが飛び交う空虚な政治を良しとしてアメリカに搾取され続けることを国民が願っているのであれば、それはそれで属国として立派な心がけであるわけで、筋は通ることになる。でも、本当に全部の情報を国民が知っているのか?知らされていないよね?年次改革要望書って何よ?いつの間にこんな内政干渉の命令文書をハハーって承ってきたのよ?国民は知らされていないのよ。それを僕は怒っているわけです。知らされた上で、やっぱりアメリカにはかないませんというのであれば、繰り返しになるけど、属国として立派な国でやっていけるんだけど。「武士道」が今ブームなわりには、なんかケンカの相手を間違っているような雰囲気が強いんだよな・・・  
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2004年09月19日

守るべきものは守らねばならない

6701ebbe.jpg『NTTを殺したのは誰だ!』藤井耕一郎・光文社ペーパーバックス お勧め度★★★★
 たまたまこの書評を書く前に、アマゾンでほかの人の書評を見た。NTT内部の人だったり、本書でも指摘されているような知らず知らずアメリカの手先になっている人が読んだ評価は、やっぱり×だった。まあそんなもんでしょう。アメリカは知らず知らずそうやって思想を植えつけていくんだから、件の評者も脇が甘いとはいえアメリカライズ万歳病にかかってしまっているのに自ら気づいていないだけだ。

 確かに題名のようにNTTを殺したのはアメリカだというはっきりした証拠は乏しいといえば乏しい。でも今もなお同時並行で進んでいる話を今の時点で結論つきで評価するのはどうしても無理があるので僕は仕方がないと思う。アメリカが悪い一辺倒ではまあ僕もちょっと毒されかけているかなとも思うのだが、それでもやっぱり、決定的なアメリカからの恫喝文書をアメリカ大使館のホームページに意図的な意訳で「公表」している外務省の売国行為を見れば、この件だけに限って証拠が少ないと論じるのは明らかに勉強不足というか現状の認識不足としかいえない。『拒否できない日本』と同じパターンで、我々国民に知らせるべき文章がちっとも公表されていないことに愕然となるのだ。そしてそれを知ったときにはもう時すでに遅し。日本は完全にアメリカの手の中で踊らされていることに気づくわけだ。

 本書によれば、アメリカはNTTにアナログの代表選手ADSLを普及させるように誘導し、アメリカの技術を追い抜いてしまっては困る光ファイバーの普及を徹底的に阻止しているという。アメリカの高官はソフトバンクみたいな何の技術も持っていないただの米国発技術の輸入業者を使って、さも一般庶民の味方を装って通信料金の値下げをしないNTTを悪者扱いする。そのくせ、自国の通信会社がフランスの企業に買収されそうになるとものすごい政治的圧力をかける。FBIが盗聴できなくなるからとかいう理由で。おいおい矛盾してるよと。自分がされていややったら人にもするなと。まったく独善的な国ってどうしようもないね。

 じゃあこれからどうやったらアメリカのくびきを断ち切れるか。著者は完全にさじを投げている。無理!と。それでいいのかい?正直そこは僕は頭にきた。専門家がそんなに簡単に引き下がるな!と。素人の我々にはわからない世界だし、原因まで追究した著者のような人間が音頭とってあるべき姿に導かないといけないんじゃないの?個人の資質的にそれが無理なら、そういう気概のある政治家に情報を売るとかして役立てていくべきではないの?戦略がなさすぎる。本書でアメリカ式のやり方の弱点も暴いてあるのだ。例えば、短期的収益を上げることを優先せねばならない今のアメリカ企業社会においては時間のかかる研究には金も人も時間もさけないのだ。日本は独立行政法人とか言ってないで大学をもっとそういう分野の研究に特化させるとかしてアメリカにできない技術革新を進めるべきだったのだ。まあ、そうされては困るからアメリカの圧力で大学の独立行政法人化が進んだわけだが・・・。まったく。一事が万事こんな調子で先読みされてはブロックされているわけだ。でもこれで完全に希望の光が閉ざされたと思うのは早すぎる。著者ももっと知恵を絞ってくれと言いたい。

 IP化がNTTの今後の事業展開の息の根を止めるらしい。確かにあんなに簡単に無料化が進めばそうなるかも。ワイヤレスの技術革新がもっと進めば携帯電話も機種だけのビジネスになるというのもうなずける。さあIPが吉とでるか凶と出るか。僕は案外早くそうなると思う。だって今の段階でデジタルデバイドはとんでもなく進んでいるんだよ。わけのわかっていない老人達に安くなるから変えましょうなんて言ったらホイホイって乗ってくるに決まってるやん。ただでさえリストラやなんやで家計は小さくなってくるんだから、ちょっとでも安くしたいって考えるのは当然なんだし。そのころにはNTTはなくって、どっかの外資系が経営しているんだろうなあ・・・。どこでも盗聴されまくりの管理社会に移行していくわけだね・・・。  
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2004年09月18日

イラチュー

07ce41b6.dat『イラクの中心でバカとさけぶ』橋田信介・アスコム お勧め度★★★
 本当は2ヶ月ほど前に読んだ。今日O川さんと話していた中ででてきた話題だったのでここで載せることにする。

 題名を見るといわゆるセカチューのモジリ丸出しなんだけど、これがまた面白い。セカチューの内容には僕は全く興味ないけど、やっぱイラク戦争の最前線の本当の姿はこんなんなのよ、そこにはサダムに抑圧されていて散々な生活を送っていた民間人をも殺傷する自称正義の軍隊がいるのよ、それを自由に取材できないのよというところが余すところなく書かれている本書の魅力には魅かれっぱなしだ。それもそのはずで、著者の橋田さんは日本人で初の犠牲者となってしまったぐらい突っ込んで取材していたわけだから、面白くないわけがない。

 とにかくアメリカ側の報道管制は厳しいらしい。著者はフリージャーナリストで、本書を読む限りでは不法入国(!?)でイラク入りしているので、正規ルートでは取材内容を日本の報道機関に売りつけることはできない。そこでどうしたか?賄賂だ!マイナイですよ。ここぞというときに(これがまたけっこう頻繁にある)責任者のそでの下に忍ばせるのだ。やっぱり国は違って言葉は通じなくても、金の力は万国共通。めでたく、彼ら戦地ジャーナリストが文字通り必死で撮った映像が、我々の茶の間に届くわけである。裏側ではなんというやりとりが繰り広げられているのだろうか。

 そういう重たい情報を我々は簡単に得られているということを全く理解せず、釈放された3人のフリージャーナリスト・ボランティアに対して「自己責任」を押し付ける人間の気がしれない。ロックフェラーかロスチャイルド財閥の息の掛かった大手国際メディアが流すことのない、やられた側からの映像が見れるのは全て彼らのおかげなのだ。知識人ぶってCNNとか見てイラクは云々と語っているヤツほど簡単にアメリカに洗脳されているだけなのだ。アホなのだ。日本の現地記者だってサラリーマンなんだから上司が死地に取材に行かせるわけにはいかんわけで(これは社員を守らなければならないという会社の責任だから当然だ)NHKも読売も全部アメリカ側の映像を買ってそのまま垂れ流しているだけなんだから、いい加減踊らせれていることに気付けよ。アメリカ兵による捕虜への集団暴行なんて、アルジャジーラとかの非ユダヤ系からの報道がなければ決して明るみに出なかったことだ。なんで独自の視点で取材して本当の情報を国民に伝えようとしていたフリージャーナリストが非難されなきゃいけないの?だいたい安全なところにいて偉そうにモノを言うような国内新聞の社説ほどくだらないものはない。自分たちにないジャーナリズム魂というものを称賛すべきだと思うのだが。

 まあ、彼らの救出劇の中で、3人の家族が自衛隊の撤退を小泉首相に懇願するなんていうバカな行為があったから、国民は一同にしらけて「自己責任」って言い出したのかもしれない。フリージャーナリストである以上、危険に身をさらすのは覚悟の上であろうし、たとえ彼らが窮地に陥ったとしても間違っても政府に責任をなすりつけてはいけない。もし責めるのなら(責める必要はないと思うが)、彼らを思いとどまらせることができなかった家族自分たちの責任であるはずだ。

 僕は題名にある「バカ」というのは意味が二つあるように思う。僕ら素人から見たら、なんでわざわざ戦地で写真とりにいくの?とか素朴な疑問が出てくるのだが、戦地フェチとも言おうか、それが一つ目の意味。二つ目は紛れもなくイラク戦争自体の意義にかかるものだ。よくよく考えたら、なんでイラクの民間人を、しかも今の今までサダムに抑圧されていた人々を狙って空爆なんかやるんだと、大量破壊兵器は今後も見つからないだろうとかパウエルが言っていたが、なんだそりゃ?バカヤローという意味でしょう。こんなことがずっとまかりとおるわけがない。アメリカはやっぱり衰退の一歩を踏み出したのだ。  
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